竹花梓

竹花 梓

竹花 梓（たけはな あづさ）は、日本のファッションモデルであり、女優としても活躍した人物です。1976年4月9日、群馬県に生まれ、桜美林短期大学を卒業しました。

主にモデルとしてキャリアをスタートさせ、特にコマーシャルメッセージ（CM）の世界でその才能を発揮しました。活動の場は日本国内にとどまらず、台湾、韓国、中国といったアジア各国にも広がり、数多くの企業の顔として親しまれました。出演したCMは多岐にわたり、ロート製薬の「サンプレイ」、TDK、COMPAQ、NTTドコモの208シリーズ、オリコカードの「ORICO CARD『剣道篇』」、キリンビールの「ラガービール『明治野球篇』」、トヨタの「デュエット」、武田薬品の「ハイシーCEタイム」、P&Gの「ウィスパーネオNEO『朝までガード』」、小林製薬の「チクナイン『どろっとした篇』」、小田急ロマンスカーの「『映画のような旅篇』」など、実に多彩でした。中でも、オリコカードのCMでは俳優のレオナルド・ディカプリオと共演したことが話題となり、WOWOWのCM「走る女」（関口現監督）は2000年にカンヌ国際広告祭で銀賞を受賞するなど、国際的な評価も受けました。

モデルとしての活躍と並行して、女優としても活動を展開しました。映画においては、2001年に公開された是枝裕和監督作品『DISTANCE』で主人公の一人である「梓」役を演じ、これが彼女の映画デビュー作となりました。その後も、日本映画界を代表する監督たちの作品に多数出演しています。七里圭監督の『のんきな姉さん』では華子役、三池崇史監督のホラー映画『着信アリ』では山下律子役、西川美和監督の『ゆれる』ではモデル役を演じ、印象を残しました。また、東京藝術大学大学院映像研究科の学生作品である「新訳 今昔物語」の一編「渚にて」では尼僧役を務め、池田千尋監督の『東南角部屋二階の女』（2008年）では豊島涼子役、三人の著名な外国人監督によるオムニバス映画『TOKYO!』（2008年）のレオス・カラックス監督パート「メルド」ではニュースキャスター役、野原位監督の『Elephant Love』（2009年）では主人公の元妻である千恵役を演じるなど、幅広いジャンルと役柄に挑戦しました。テレビドラマでは、2008年にWOWOWで放送された『プリズナー』にチャン役で出演しています。

活動中の2007年6月には、芸名を本名の「梓」から「竹花梓」へと変更しました。モデルとしても女優としても、その個性的な存在感で独自のキャリアを築き上げていましたが、2012年12月9日、惜しまれつつも36歳という若さでこの世を去りました。短い生涯ながら、彼女が国内外の広告や映画に残した足跡は、今なお多くの人々の記憶に刻まれています。

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