竹野栄

竹野栄

竹野栄（たけの さかえ、1922年4月27日 - 没年不明）は、日本の児童文学作家であり、教育者としても活躍しました。

経歴

北海道の奥尻島で生まれた竹野栄は、北海道第二師範学校（現在の北海道教育大学）と國學院大學を卒業しました。師範学校在学中に素話を行う際、自作の童話を使いたいと考えたことがきっかけで、児童文学の道を志すようになります。1961年からは石森延男に師事し、児童文学の執筆に本格的に取り組みました。1963年には、『ブチよしっかり渡れ』で第4回講談社児童文学作品賞を受賞し、作家としてデビューを果たしました。

大学卒業後、約40年間、北海道や東京の小学校で教諭として勤務した経験は、彼の作品に大きな影響を与えました。教師や校長先生と子供たちの交流を題材とした、明るくのびのびとした作風が特徴です。また、小学校低学年を対象とした国語や生活科に関連する絵本や、児童向けのノンフィクション作品も数多く手掛けました。さらに、児童向けの作品だけでなく、教育者としての視点から執筆した大人向けのノンフィクションも発表しています。日本児童文芸家協会の理事長も務め、児童文学の発展に貢献しました。

作品

竹野栄は、数多くの児童向け作品と教育書を執筆しました。

児童向け作品

フィクション

『ブチよしっかりわたれ』（講談社） 1964年
『わんぱくテッちゃん』（理論社） 1971年
『でもね、せんせい』（フレーベル館） 1973年、のち改訂版 1991年
『先生もいくんか』（フレーベル館） 1975年
『タイチととうげのなかまたち』（小峰書店） 1979年
『こうちょうせんせいなにしているの』（フレーベル館） 1980年
『たいやきたべたいな』（太平出版社） 1980年
『校長先生のわすれもの』（太平出版社） 1980年
『たっちゃんのめんせつ』（太平出版社） 1981年
『はぐれ子グマのサツキ』（太平出版社） 1983年
『トトちゃんの心は北の海』（旺文社） 1986年
『パトカ－に乗ったウミネコ』（旺文社） 1986年
『さよならピーコ』（旺文社） 1987年
『なわとびカードがとんだ』（フレーベル館） 1988年
『友情は海をこえて』（金の星社） 1991年
『おじいちゃんは兵隊だった』（旺文社） 1995年
『そらにかえれピーコ』（チャイルド本社） 2000年

共著

「わくわくせいかつか」シリーズ 全12巻（長谷川康男との共著、太平出版社） 1995年 - 1996年
「はじめてのこくご」（太平出版社、つくばシリーズ） 1996年
全12巻のうち、第1巻『あいさつ』、第5巻『もじ』、第6巻『は・を・へ』を執筆。

ノンフィクション

『白鳥の帰る湖』（旺文社） 1981年
『あべくらさんの動物病院』（旺文社） 1983年
『ひげ先生と森の動物たち』（旺文社） 1991年

教育書

『子ども・学校とお母さん』（近代文芸社） 1996年
『それでも学校はある』（文芸社） 2000年

参考文献

日本児童文学者協会編 『現代日本児童文学作家案内』 すばる書房盛光社、1975年
日本児童文学者協会編 『現代日本児童文学作家事典』 教育出版センター新社、1987年
大阪国際児童文学館編 『日本児童文学大事典 第1巻』 大日本図書、1993年 ISBN 4477003765

もう一度検索