笑いの王国

『笑いの王国』は、1991年から1992年にかけて、テレビ朝日系列で放送された日曜のお昼を彩るお笑い番組でした。毎週日曜12時からの45分間、笑いを届けたこの番組は、司会に西川きよしさんと松居直美さんを迎えてスタートしました。お二人は、同じテレビ朝日系列で放送されていた『ザ・テレビ演芸』から引き続き司会を務め、番組に安定感をもたらしました。

番組は当初、一般的な演芸番組のスタイルでスタートしました。様々な芸人さんたちが持ちネタを披露し、軽妙なトークとテンポの良い進行で、視聴者を笑いの渦に巻き込みました。しかし、放送期間中、番組は大きな転換期を迎えます。後期には、番組全体の構成が大きく変更されました。クリーニング店を舞台にした、吉本新喜劇風の楽しいコメディーショーが中心となり、その合間に演芸コーナーが挟まれるという、新たなスタイルへと進化を遂げたのです。この変更は、視聴率向上のためのテコ入れとして行われたと考えられます。

『笑いの王国』には、人気芸人たちの競演だけでなく、将来を担う新人を発掘する企画も存在しました。これは、前番組『ザ・テレビ演芸』の人気コーナー「とび出せ笑いのニュースター」を彷彿とさせるもので、勝ち抜き形式の新人オーディションコーナーが設けられていました。審査員は、前番組より人数が減り3名体制でしたが、多くの新人芸人たちがこの舞台で才能を披露し、注目を集めました。新たなスターの誕生を期待させる、番組を盛り上げる重要な要素の一つでした。

番組には、多くの芸人さんが出演していましたが、特筆すべきは、番組後半に登場した堺すすむさんです。彼は、「謎の男フラメンコマン」というユニークなキャラクターで番組を盛り上げました。このキャラクターは、番組に独特のスパイスを加え、視聴者を楽しませる存在でした。

『笑いの王国』は、放送期間こそ短かったものの、演芸番組としての王道スタイルから、吉本新喜劇風の新しいスタイルへの変化、そして新人の発掘企画など、様々な試みが行われた番組でした。西川きよしさんと松居直美さんの安定した司会、個性豊かな出演者たちの競演、そして番組の構成変化は、多くの視聴者に記憶に残る、バラエティに富んだ45分間を提供したと言えるでしょう。この番組は、1990年代のお笑い番組史において、独特の存在感を示した番組として、その歴史に刻まれています。

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