笑福亭たま

笑福亭たま

1975年1月6日、大阪府貝塚市に生まれた落語家。本名は辻俊介。血液型はB型。笑福亭福笑師匠の門下に入り、上方落語の世界で活躍しています。出囃子には『長崎さわぎ』を使用。高座名「たま」は、ご実家がビリヤード店であったことに由来すると言われています。

異色の経歴と落語への道

大阪府立岸和田高等学校を卒業後、京都大学経済学部へ進学。大学生活を送る中で、3回生の時に落語研究会に参加したことが、その後の人生を決定づけます。特に、師匠となる笑福亭福笑の演じる『時うどん』を聴いたことが、落語の持つ奥深さや面白さに開眼するきっかけとなりました。大学卒業を控えた1998年4月、迷うことなく笑福亭福笑師匠に弟子入りし、プロの落語家としての第一歩を踏み出しました。

芸風と上方落語界での存在感

笑福亭たまは、古典落語と新作落語、双方の演目を高いレベルでこなす「両刀使い」として知られています。師匠である笑福亭福笑の、いわゆる「上下（かみしも）」をあまり使わない独特な語り口を継承しつつも、自身の探求心から生まれる実験的な試みにも積極的に挑戦しています。その芸風は「桂枝雀を彷彿とさせる」と評されることもあり、高い評価を得ています。また、テレビなどのメディアでは、短い時間で落語の面白さを伝える「ショート落語」なども披露しています。

彼は、その知性と独創性から、2020年頃には上方落語界における「最もパワフルな若手イノベーター」の一人として注目されていました。京都大学出身という異色の経歴も相まって、特に首都圏で開催される落語会においては、若い世代のファンが増加する要因の一つとも目されています。芸能事務所には所属せずフリーランスとして活動しており、上方落語協会の会員でもあります。

京都大学出身落語家の草分け

京都大学を卒業して落語家になった人物としては、笑福亭たまが初めての事例です。彼の後に、桂福丸、入船亭遊京、春風亭いっ休といった京大出身の落語家が登場しており、特に遊京やいっ休は大学の落語研究会の後輩にあたります。彼らに続く道を切り開いた存在と言えるでしょう。

受賞歴

その実力は、数々の受賞歴によっても裏付けられています。

2004年：大阪府舞台芸術新人賞、文化庁芸術祭演芸部門新人賞
2008年：繁昌亭大賞輝き賞
2009年：繁昌亭大賞創作賞
2010年：咲くやこの花賞大衆演芸部門
2011年：なにわ芸術祭新人賞
2012年：繁昌亭大賞爆笑賞
2016年：上方落語若手噺家グランプリ優勝、繁昌亭大賞奨励賞
2017年：国立演芸場花形演芸大賞
2021年：繁昌亭大賞

主なメディア出演

ラジオやテレビなど、多方面で活動しています。

現在のレギュラーラジオ
たまの法律目線!はよ相談しなはれ (OBC)
過去のレギュラー
テレビ：ゆうドキッ!（奈良テレビ）
ラジオ：たまの袋とじ (OBC)
ゲスト出演など
テレビ：クイズプレゼンバラエティー Qさま!!（テレビ朝日）、御法度落語 おなじはなし寄席!（BS朝日）
* インターネット：お台場寄席DOUGA（フジテレビ無料動画サイト「見参楽」）

その知性と落語への情熱で、常に新しい表現を追求し続ける笑福亭たま。上方落語界における彼の存在感は増すばかりであり、今後の更なる活躍が期待されています。

もう一度検索