笠原昌春

笠原 昌春（かさはら まさはる）

1965年3月1日、東京都に生まれた笠原昌春氏は、日本のプロ野球界で長年にわたり審判員として活躍する人物です。現在は日本野球機構（NPB）において、要職である副審判長を務めています。

球界入りの経緯とキャリア

東京電機大学高等学校、東京電機大学を卒業後、東京道路エンジニア株式会社での勤務を経て、1988年にセントラル・リーグ審判部へ入局しました。この年は、セ・リーグで審判員に袖番号が初めて採用された記念すべき年であり、笠原氏は森健次郎氏と共に、その初年度から袖番号「8」を使用し続けている審判員の一人です。

輝かしい出場記録と大舞台での経験

笠原氏は、その長きにわたるキャリアの中で、数多くの歴史的な試合や大舞台で審判を務めてきました。NPB審判員として、通算3043試合に出場（2024年シーズン終了時点）という驚異的な記録を持っています。

特筆すべきは、節目の記念試合の達成です。

通算2000試合出場：2013年9月22日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNAベイスターズ対中日ドラゴンズの試合で、一塁塁審として達成しました。
通算2500試合出場：2019年4月27日、楽天生命パーク宮城での東北楽天ゴールデンイーグルス対千葉ロッテマリーンズ戦で、こちらも一塁塁審を務めました。
通算3000試合出場：プロ野球史上13人目となる金字塔は、2024年7月6日、ベルーナドームでの埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ戦で達成されました。この偉業は、30年以上にわたる笠原氏の審判員としての貢献を象徴するものです。

また、日本プロ野球の二大イベントであるオールスターゲームと日本シリーズにおいても豊富な経験を持ちます。

オールスターゲーム：これまでに4回（1995年、1999年、2004年、2014年）出場。特に1999年の第3戦と2004年の第1戦では、試合を裁く球審を務めました。
日本シリーズ：11回（2002年、2003年、2006年、2008年、2010年、2011年、2015年、2018年、2019年、2020年、2024年）もの出場を果たしています。この中には、2002年第3戦、2003年第6戦、2006年第5戦、2008年第1戦、2010年第3戦、2011年第6戦、2015年、2018年第1戦、2019年第3戦など、球審として重要な役割を担った試合が多数含まれています。

歴史的な瞬間を見届けた審判

笠原氏は、ファンや球史に残る数々の印象的な試合で球審を務めてきました。

2006年には、中日ドラゴンズが東京ドームでの読売ジャイアンツ戦でリーグ優勝を決めた試合と、北海道日本ハムファイターズが44年ぶりに日本一に輝いた2006年の日本シリーズ第5戦で、それぞれ最後のジャッジを下す球審を務めました。
* 2013年9月15日には、神宮球場で行われた東京ヤクルトスワローズ対阪神タイガース戦で球審を担当。この試合で、ウラディミール・バレンティン選手がシーズン56号、そしてアジア新記録となる57号ホームランを放ち、その歴史的瞬間を見届けました。

国際舞台での経験と表彰

国内だけでなく、国際舞台での経験も持ち合わせています。2006年に開催された第1回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）では、東京で行われた1次ラウンドA組の3試合で審判を務めました。また、東京2020オリンピックでも審判団の一員として参加しています。

審判員としての功績は高く評価されており、最優秀審判員賞を2度（2017年、2019年）受賞しています。

キャリアの初期においては、1991年10月10日に横浜スタジアムで行われた大洋ホエールズ対阪神タイガース戦で、二塁塁審としてプロ野球初出場を果たしました。

2021年シーズンからは審判部のシニアクルーチーフに就任し、2023年シーズンからは副審判長として、後進の指導や審判部の運営にも携わっています。

長年にわたり正確かつ公正なジャッジで試合を支え、数々の記録と歴史的瞬間を見届けてきた笠原昌春氏。副審判長として、今後のNPBの審判技術向上と発展に貢献していくことが期待されています。

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