笠堀ダム

笠堀ダムについて

笠堀ダムは、新潟県三条市を流れる信濃川水系笠堀川に建設された重力式コンクリートダムです。新潟県が管理する県営ダムであり、高さは74.5メートルを誇ります。このダムは、笠堀川とその合流先である五十嵐川の治水、三条市への利水、そして水力発電を目的とした多目的ダムとして重要な役割を担っています。ダムによって形成された人造湖は笠堀湖と名付けられ、周辺の自然と調和した美しい景観を作り出しています。

地理と特徴

笠堀ダムが位置する笠堀川は、粟ヶ岳東麓を源流とし、大川や砥沢川などの支流を合わせながら、三条市笠堀地区で五十嵐川に合流します。ダムは、この五十嵐川との合流点から数キロメートル上流に建設されており、流域全体が険しい山岳地帯となっています。周辺地域は特別天然記念物のニホンカモシカの保護区にも指定されており、豊かな自然が残されています。

また、笠堀ダムの近くには五十嵐川本流に建設された大谷ダムがあり、両ダムは互いに連携して洪水調節の役割を担っています。ダムの名称は、河川名であり所在地の大字名でもある「笠堀」に由来しています。建設当時は南蒲原郡下田村に位置していましたが、平成の大合併により現在は三条市となっています。

豪雨災害とダムの役割

2004年7月13日に発生した平成16年7月新潟・福島豪雨では、笠堀ダムは時間最大雨量73ミリ、24時間最大雨量473ミリという記録的な豪雨に見舞われました。この時、ダムは運用以来最多の全放水量619.81m3/sを記録しましたが、大谷ダムとともに限界まで貯水することで、三条市における家屋浸水被害を約2,000戸減少させるなど、洪水調節機能の効果を大きく発揮しました。

2011年7月26日から29日にかけて発生した平成23年7月新潟・福島豪雨では、さらに甚大な降水量を観測し、五十嵐川流域は再び大きな被害を受けました。この災害を受けて、「平成23年五十嵐川災害復旧助成事業」が立案され、笠堀ダムは貯水量の向上を目的とした嵩上げ工事が決定しました。工事は2017年度中の竣工を目指して進められましたが、工事期間中は一般の立ち入りが制限されていました。

関連情報

笠堀ダムは、その治水、利水、水力発電という多面的な機能を通じて、地域の生活を支える重要なインフラ施設です。関連する項目として、日本のダム、日本の人造湖一覧、重力式コンクリートダム、多目的ダム、都道府県営ダム、大谷ダム、治水、利水、水力発電、平成16年7月新潟・福島豪雨、平成23年7月新潟・福島豪雨、三条市、中部地方のダム一覧などが挙げられます。

より詳しい情報については、以下の外部リンクをご参照ください。

笠堀ダム（元） - ダム便覧
笠堀ダム（再） - ダム便覧
新潟県三条地域振興局 地域整備部
笠堀ダム
新潟県企業局
笠堀発電所
ダム横断図（新潟県河川防災情報システム）
一級河川五十嵐川災害復旧助成事業 笠堀ダム嵩上げ工事 - ウェイバックマシン（2018年8月7日アーカイブ分）

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