第一五三海軍航空隊

第153海軍航空隊

第一五三海軍航空隊（だい153かいぐんこうくうたい）は、第二次世界大戦中の日本海軍における偵察機部隊です。特に蘭印の防衛を目的とし、大東亜戦争の後期において偵察や迎撃の任務を担いました。

沿革

この部隊が設立された背景には、ニューギニアにおける陸戦の激化がありました。アメリカ陸軍がオーストラリアでの戦力回復を図っている中、反攻が迫っていました。そのため、西ニューギニアから東蘭印にかけての最前線で活動する長距離偵察隊の設立が求められました。これを受けて編成されたのが第一五三海軍航空隊でした。これ以前は、第七五三海軍航空隊が長距離偵察任務を肩代わりしていましたが、戦力の消耗が著しく、帰還することができませんでした。

新設部隊では、当初偵察機が揃っていなかったため、陸軍飛行隊から得た情報を分析するだけの状況が続きました。しかし、開隊から2ヶ月後に、陸軍から一〇〇式司令部偵察機が譲渡され、独自の偵察行動がようやく開始されました。

設立からの主な出来事

• - 昭和19年1月1日: 新竹飛行場を起点として、ケンダリ飛行場で第一五三空を開隊し、定数は陸上偵察機12機でしたが、当初は機体がありませんでした。
• - 昭和19年3月: 陸軍から譲渡された一〇〇式司偵での偵察活動がスタート。さらに、本土から二式艦上偵察機も到着しました。
• - 4月9日: ニューギニアへの進出命令が下され、ビアク島沖のワクデ島に移動しました。以降、哨戒活動が開始されます。
• - 5月4日: ホーランディアの地上戦が始まり、陥落後の状況を偵察しました。
• - 5月上旬: 別の飛行場への撤退を余儀なくされましたが、再編の過程で新たな機体や戦闘隊の編入が行われました。
• - 6月から7月にかけて: 戦局が厳しさを増す中、航空隊の大改編が実施され、ダバオへ後退しました。新たな機体の調達が進められましたが、不足に悩まされ続けました。

最終局面

• - 昭和19年9月から10月: ダバオでの空襲や、ニコルス飛行場での任務を経て、最終的に多号作戦支援などを行いましたが、機材の枯渇に直面しました。
• - 昭和20年1月: 台湾への撤退命令が出され、戦後の解隊へと進みました。

主力機種

部隊の主力となる機体としては、一〇〇式司令部偵察機、彗星、零式艦上戦闘機、月光などがありました。これらの機体はそれぞれ異なる目的のために運用され、編隊の編成に貢献しました。

歴代の指揮官

この部隊を指揮した歴代司令官には、山口盛義、中佐を始めとして、猪口や高橋といった面々が名を連ねています。特に和田鉄二郎、大佐は戦後に病死し、多くの真剣な戦士を失った部隊の象徴ともいえる存在でした。

まとめ

第一五三海軍航空隊は、戦局が逼迫する中で数々の困難に直面し続けましたが、偵察任務を通じて部隊の存在感を示しました。戦後、多くの隊員が救出されることなくフィリピンに残された事実は、彼らの献身を物語っています。

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