第一号型駆潜特務艇

第一号型駆潜特務艇

第一号型駆潜特務艇は、第二次世界大戦における日本海軍の木造艦で、主に沿岸の哨戒や対潜攻撃などに用いられました。この艇は1939年から始まった計画に基づき、戦時中の急速な建造を考慮して設計されました。

開発の背景

この船は、日本海軍が想定した有事の局地用駆潜艇として位置づけられ、試作艇が1941年から建造されました。最初の試作艇は、横須賀工廠および市川造船所で建造され、最終的には100隻以上が1944年までに完成しました。また、さらに100隻が1945年に完成したものの、その多くは戦争中に失われました。

特徴と構造

沿岸哨戒や対潜攻撃、曳船などの多様な役割を果たすために設計されたこの艇は、木材規定に基づいて設計され、従来の漁船よりも高速でした。主機には中速400馬力のディーゼルエンジンを搭載し、木造の特性から復元性の低下を補うためにバラストを搭載する改革が施されました。

技術的な特徴としては、安定した動作を確保するために、搭載される発電機が重要な役割を果たしました。加えて、9個の爆雷や水測兵装（ソナー）も装備され、戦闘能力を高める工夫が施されました。機銃は時期によって異なり、最初は7.7mmだったものが、後に13mm、そして最終的には25mmへと変更されていきました。

運用と戦績

この艦の運用は非常に幅広く、太平洋戦争中には千島からソロモン諸島にかけて広範囲にわたって展開しましたが、81隻が戦闘によって沈没しました。戦後は掃海艦としての役割を続け、アメリカ軍が散布した磁気機雷の掃海に従事しました。有名な「ちよづる」がこの型に属し、海上自衛隊でも85隻以上が引き続き活用されました。

終焉と評価

この艇は1970年代まで存在し、最後の退役艦は1964年に姿を消しましたが、退役後も漁船などとして利用され続けました。日本海軍の艦艇史においてこの特務艇は、名艦と称される評価を受けることも多く、役に立った歴史を持っています。

同型艇とその状況

運用された同型艇の中には、多くの艦が戦後の掃海任務に従事しました。それぞれの艦には、竣工年や装備、運命などが詳細に記録されています。特に、掃海艦としての役割を果たした後、多くが海上保安庁に引き継がれた事例が見受けられ、このことは機能的な役割を果たし続けた証でもあります。特務艇は日本海軍の多様な任務を支えた重要な艦艇であり、過去の技術の象徴と言えるでしょう。

もう一度検索