第一宗谷丸

第一宗谷丸の概要

第一宗谷丸は、東日本海フェリーが運航していたフェリーで、1970年に初めて就航しました。この船は中村造船鉄工所で建造され、当時の船舶整備公団の共有建造制度を利用した公団船として知られています。船の役割は特に重要であり、東日本海フェリーの初のフェリーであることから、その歴史的な意義は大きいと言えます。

1970年4月に就航した第一宗谷丸は、1982年には北海商船にチャーターされ、2代目おたる丸の後を引き継ぎ、小樽から利尻・礼文へと向かう航路にて週3便で運航されました。これにより、地域の交通インフラの一端を担い、多くの利用者に便利な移動手段を提供しました。

1988年には第二宗谷丸に交代され、東日本フェリーに売却されました。この時期から福島と三厩を結ぶ夏季限定の運航を開始し、1992年までの間、7月から8月の間のみ運行されました。しかし、その後この航路は休止となり、第一宗谷丸は引退を迎えました。

設計

第一宗谷丸の設計は、非常に実用的で効率的なものでした。船体は3層構造となっており、最上層には操舵室および露天甲板が設けられていました。このエリアでは、船の進行方向を確認しながら、また乗客が風を感じながら楽しむことができるスペースが確保されています。

次の層には船室があり、旅行者が快適に過ごすための設備が充実していました。この船室は乗客にとって、移動中の快適な居住空間を提供するための重要な要素となっていました。最下層には車両甲板があり、自動車やバイクなどの乗り物を安全に運搬できるように設計されています。ランプウェイは船尾に設置されており、乗り降りがスムーズに行える工夫がなされていました。

まとめ

第一宗谷丸は、その就航から多くの月日が経過した今でも、多くの人々に記憶される存在です。公団船としてのスタートを切り、小樽から利尻・礼文航路、さらに福島と三厩の航路を結ぶなど、地域の交通を支える重要な役割を果たしました。その設計も、乗客の快適な移動と自動車のスムーズな運搬を考慮したものであり、多くの人々から愛されてきました。引退後は静かな歴史の一部となりましたが、その活躍は今でも地域の人々に語り継がれています。

もう一度検索