第七の封印 (映画)

映画『第七の封印』

『第七の封印』は1957年にイングマール・ベルイマン監督によって制作されたスウェーデン映画であり、その独自な視点から神の存在を問いかけた作品です。この映画は、中世の北欧を舞台に、十字軍の遠征から帰国した騎士と死神の対決を描いています。映画は、スウェーデン語で「Det sjunde inseglet」として知られ、国際的にも評価が高く、スティーヴン・ジェイ・シュナイダーの著書『死ぬまでに観たい映画1001本』にも取り上げられています。

概要

本作は、前作『夏の夜は三たび微笑む』の成功により、自由に映画制作ができる環境を手に入れたベルイマンが、実存主義的なテーマに挑んだ意欲作です。『第七の封印』ではベルイマン自身も前年に続いてカンヌ国際映画祭のパルム・ドールにノミネートされ、受賞は逃したものの、特別賞を受け取ることとなりました。この二作の批評的成功により、彼の映画監督としての地位は確固たるものとなり、また主要キャストであるマックス・フォン・シドーとビビ・アンデショーンにとっても、キャリアを飛躍させる転機となりました。

ストーリー概要

物語は、十字軍の遠征から帰国した騎士アントニウス・ブロックとその従者ヨンスが黒死病に襲われたスウェーデンに感心をよせる場面から始まります。ブロックは、帰国後に死神の存在を覚るのですが、恐れを抱く彼は、命を賭けてチェスで死神と勝負しようと提案します。これは、彼が以前の戦役で揺らいだ信仰を取り戻し、神の存在を確認するための行動でした。

彼と死神とのゲームが続く間、ブロックは様々な人々と出会います。疫病で家族を失った少女、腐った精神の元聖職者、火焙りにされる魔女、その通りで自らを鞭打つ狂信者、無邪気な旅芸人一家、そして運命を恐れる人々です。その中に少女と旅芸人一家、鍛冶屋夫妻を加え、ブロックはさらに彼の城に向かう旅を続けます。

クライマックス

城を目前に控えたある晩、ブロックは死神とのチェスの勝負に敗北を認め、神との対話も果たせず、彼自身を救う知恵も得られないまま、旅芸人の一家を守ることには成功します。しかし、不運にも死神は現れ、全員の命を奪います。翌日、旅芸人のヨフが見たのは、死神に導かれた犠牲者たちの死の舞踏でした。映画は、旅芸人一家の無事を示唆しながら、幕を下ろします。

スタッフとキャスト

この映画の製作陣には、エーケルンド氏が製作を、ベルイマン自身が監督と脚本を務め、グンナール・フィッシェルが撮影を担当しました。また、音楽にはエリク・ノルドグレン、美術にはP・A・ルンドグレンが参加しています。キャストには、アントニウス・ブロック役のマックス・フォン・シドーをはじめ、従者ヨンス役のグンナール・ビョルンストランド、死神役のベント・エケロートなどが名を連ねています。

トリビア

タイトルの「第七の封印」は、新約聖書のヨハネの黙示録に由来します。また、映画中に登場する黒いローブの死神のイメージは、その後の作品に多大な影響を与えており、チェスのシーンは特に有名です。ベルイマンは数多くの映画を手掛けましたが、この作品を特に気に入っていたと言われています。また、本作の死神が登場するシーンは、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『ラスト・アクション・ヒーロー』にも影響を与えました。

このように、『第七の封印』はただの映画を超え、文化と芸術に深い影響を与えた作品として、今なお語り継がれています。

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