第七六一海軍航空隊

第761海軍航空隊について

第761海軍航空隊（だい761かいぐんこうくうたい）は、大日本帝国海軍の重要な航空部隊の一つとして、太平洋戦争の末期に特にマリアナ諸島及びフィリピンで活動を行いました。この部隊は、絶対国防圏を守るための主力爆撃機隊として編成され、通称「龍部隊」として知られています。

沿革の概要

この航空隊は、第一航空艦隊の一部として設立され、急速な整備が求められました。編成は鹿屋飛行場で行われ、絶対国防圏の防衛という目的で設立されたこの部隊は、マリアナ諸島への前進命令に従って展開しました。部隊はマリアナ作戦での激しい交戦により、著しい損耗を受けました。そのため、初期の第761空は解散し、フィリピンのミンダナオ島ダバオで混成爆撃機隊として再編成され、再びフィリピン戦線に投入されました。これにより、部隊の構成や戦場が大きく変わりました。

主な活動と戦歴

• - 昭和18年（1943年）

7月1日に鹿屋飛行場を拠点として編成され、最初の編成時には一式陸上攻撃機72機を保有していました。

• - 昭和19年（1944年）

2月19日、テニアン島進出のために40機が出撃。翌日からは哨戒業務に従事しました。
2月22日には、マリアナ諸島周辺に来航した敵機動部隊を発見し、3日間にわたり雷撃を行いましたが、対艦戦果はなく、21機を喪失しました。
その後、3月には第761海軍航空隊の第二陣が到着し、一部はペリリュー島に派遣。最終的に壊滅を避けるために、後方へ帰還する必要がありました。
4月には、ペリリューに増援が送り込まれ、他の海軍航空隊と連携し「梅田部隊」と名乗って戦闘に参加しました。

• - 5月以降

本隊はペリリュー島に移り、6月には「あ号作戦」が発動され、敵機動部隊に対する攻撃が試みられましたが、戦果は得られませんでした。
7月には再編成が行われ、第一航空艦隊の直轄部隊となりました。

• - 7月23日

テニアン島にアメリカ軍が上陸し、残留隊は地上戦に従事。8月には全滅しました。
その後、九月頃にルソン島へ進出し、クラーク飛行場やニコルス飛行場を拠点に活動を続けましたが、ついには全機を喪失する事態となりました。

使用機材

この海軍航空隊は、主に以下の機種を運用しました：

• - 一式陸上攻撃機：部隊の主力機種として、あ号作戦まで使用されました。
• - 九六式陸上攻撃機：一式陸攻の補助として運用されました。
• - 彗星：再編後の新たな主力機種として活動しました。
• - 天山、銀河：他にも様々な機種が運用されました。

歴代司令官

この部隊の指揮官には、以下の人物が歴任しました。

• - 前田孝成（昭和18年7月1日 - ）
• - 天谷孝久（昭和19年11月15日 - ）
• - 松本真実（昭和20年2月5日 - 武装解除まで）

終戦までの状況

終戦まで、ルソン島に孤立したまま存続していたものの、航空機を保有せず、地上要員も他部隊に編入されることなく、苦しい地上戦を強いられました。実質的には何の措置も取られず、この航空隊は文書上も実行上も形骸化し、悲惨な状況に置かれることとなりました。

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