第三三二海軍航空隊

第三三二海軍航空隊の概要

第三三二海軍航空隊は、日本海軍の一部であり、特に太平洋戦争の終盤において本土防衛の中核として活躍しました。この部隊は、阪神地区の防空活動に従事し、「虹部隊」として知られるようになりました。

沿革

1944年、サイパン島の陥落に伴い、日本本土へのB-29による攻撃が避けられない状況となり、日本海軍は新たに防空部隊を設置する決定を下しました。初めは既存の鎮守府から戦闘機隊を派遣しようとしましたが、従来の部隊は水上偵察機の編成だったため、戦闘機の統一運用が難しかったのです。それに伴い、戦闘機隊を独自の部隊に再編することが求められました。

この再編の結果、呉鎮守府から独立した戦闘機隊として第三三二海軍航空隊が新たに編成され、その拠点は呉から近い岩国飛行場に設置されました。

編成と主な活動

1944年8月1日、第三三二海軍航空隊は呉海軍航空隊の一部として独立。岩国飛行場を本拠地に構え、局地戦闘機と夜間戦闘機を運用しました。初期の装備は零式艦上戦闘機が中心でしたが、後に雷電や月光も装備することになりました。部隊は急速に戦力を増強し、月光隊も形成されました。

しかし、実戦では挑戦が続きました。同年10月25日、八幡市に現れたB-29に対して出撃するも、敵機と遭遇することはできませんでした。11月にはフィリピンに派遣され、一時20機で活動したものの、短期間で壊滅してしまいました。帰国後、関東や関西地域の防空を担い、名古屋や神戸でもB-29の襲撃に備えて迎撃行動を行いました。

戦局の変化と活動の拡大

1945年に入ると、戦局はさらに厳しさを増していきました。大阪大空襲や神戸大空襲では、月光隊が出動したものの、その戦果は限られ、都市の壊滅を防ぐことはできませんでした。こうした中、4月からは南九州にB-29の襲撃が頻繁に続き、竜巻部隊と名づけられた連合部隊を結成し、迎撃に出るなど、奮闘しました。

しかし、機材不足が深刻化し、5月10日にはほぼ稼働可能な機体が尽き、連日B-29に襲撃されたものの、成果を上げることができませんでした。終戦間際には、鳴尾飛行場を拠点に、制空権を維持するための防空活動を続けましたが、戦局の悪化は避けられませんでした。

主力機材

第三三二海軍航空隊の主力機には、零式艦上戦闘機、雷電、月光、彗星の戊型がありました。特に月光隊は夜間の迎撃を得意としており、戦局の中でも重要な役割を果たしました。

歴代司令官

部隊の指導者としては、最初に柴田武雄中佐が指揮を取り、その後八木勝利が隊長となり、部隊の運営に尽力しました。最後には解隊されるまで、彼らのリーダーシップの下で防空任務を果たしました。

終わりに

第三三二海軍航空隊は、太平洋戦争中において日本本土の防空を担った重要な部隊であり、その活動は後世にわたり研究されています。この部隊の功績は、日本海軍が直面した困難の中で生き残り続けた証でもあります。

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