第三十一号哨戒特務艇

第三十一号哨戒特務艇の歴史

第三十一号哨戒特務艇は、日本海軍の特務艇の一つで、第一号型哨戒特務艇の第13隻目です。この艦艇は、太平洋戦争の終戦時に生き残り、戦後も役割を変えながら掃海活動に従事しました。

知られざる艇歴

当艇は1944年に計画され、仮称艦名が第2151号艦として浮上しました。1944年11月5日に正式に「第三十一号哨戒特務艇」と名付けられ、第一号型哨戒特務艇の12番艇に属することが定められました。艦の本籍は当初横須賀鎮守府に設定されましたが、1945年4月29日に船体が概成し、造船所から横須賀海軍工廠に引き渡されました。

同年7月29日に竣工し、本籍が呉鎮守府に移されるとともに、大阪警備府神戸港湾警備隊に編入されました。終戦時には艦艇が残存しており、その後は掃海作業に専念しました。1945年11月30日、海軍省が廃止されたことに伴い、除籍されましたが、すぐに第二復員省に移管され、掃海艦とされました。その際、艦名は「哨特第三十一号」に変更されました。

戦後の活動

戦後の1946年6月15日には復員庁の開庁に伴い、阪神掃海部に所属が改められました。同年の6月25日に阪神掃海部の名称が神戸掃海部に変更され、さらには11月1日には再び阪神掃海部に改称されるなど、頻繁に名称が変わりました。1947年8月1日には、阪神掃海部が廃止され、下関掃海部に編入されました。

1948年に復員庁が廃止されると、艦艇は運輸省に移管され、1951年には海上保安庁に編入されて名を「掃海船MS-18」と改称されました。さらに、1956年には呉基地警防隊第4掃海隊に編入され、翌年、新たに艇番号をMSI-680に改正しました。1961年には支援船として再編成され、名称を「掃海雑船17号 YAM-17」に改正されています。

海上自衛隊への引き継ぎ

1973年には艦種呼称が掃海船に変更され、同年の3月31日に海上自衛隊から除籍されることになります。第三十一号哨戒特務艇は、戦争と平和の変遷の中で多くの役割を果たし続け、その活躍の履歴は、日本の海軍史において重要な位置を占めています。

この艦艇の存続と変更を通じて、当時の海軍力の変化や戦後の復興過程における日本の海上活動の一端が的確に反映されていると言えるでしょう。

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