第三十三号哨戒特務艇

第三十三号哨戒特務艇について

第三十三号哨戒特務艇（だいさんじゅうさんごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍において計画された未成の特務艇です。この艇は、第一号型哨戒特務艇の15番艇として位置づけられ、独自の歴史を持っています。

艇歴の概要

この特務艇は、1944年に発表されたマル戦計画に基づいており、艦型においては第2121号艦型の33番艇とされていました。仮称艦名は第2153号艦として計画されました。1944年7月12日、株式会社船矢造船鉄工所にて起工が行われ、翌1945年5月5日には正式に第三十三号哨戒特務艇と命名されました。船の本籍地は横須賀鎮守府とされましたが、戦争の影響によりこの艦は完成には至りませんでした。

終戦時、艇の工事は未だ未成の状態であり、1945年8月17日には工事中止の命令が発令され、船体工程は90％の進捗で途切れました。これに伴い、1947年2月1日には行動不能艦艇に分類され、同時に技術的管理が始まりました。それ以降、船体は北海道の函館市にあり、船矢造船鉄工所が管理を行いました。

工事中止後の運命

1947年4月14日、船体に対して一時的な使用許可が出され、翌日北海道庁に引き渡されました。8月25日には再び函館市から第二復員局へ返却され、その後尾崎某に引き渡されました。さらに、8月31日には八戸港へと回航されました。

その後、この艇は輸送船に改造される計画があり、湊川で繋留されることとなります。1947年11月22日には、アメリカ極東海軍司令部から漁船への改造許可が下されましたが、その後の動向は明らかにされていません。

参考文献と脚注

この艇に関する詳細な情報は、いくつかの文献や資料から得られています。代表的なものには、海軍省や復員庁の公式文書、各種出版物が含まれます。特に、当時の達や内令、復員に関わる報告書等は、第三十三号哨戒特務艇の建造や運命を記録しています。

具体的な資料としては、昭和20年から22年にかけて発行された各種内令や報告書、さらに専門書籍や地方史編纂における記録が挙げられます。これらの資料は、当艦艇の歴史を理解する上で重要な情報源となっています。

このように、第三十三号哨戒特務艇は、計画されたものの完成には至らなかった艦艇の一例であり、その後の貴重な歴史的資源としての価値も持っています。

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