第三十四号哨戒特務艇

第三十四号哨戒特務艇の概要

第三十四号哨戒特務艇（だいさんじゅうよんごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍が計画したものの未成に終わった特務艇である。これを特務艇として位置づけたのは、第一号型哨戒特務艇の16番艇であり、日本の艦艇史において特異な存在である。この艇はマル戦計画に基づいて設計されており、特定の役割を果たすために始まりました。

艦歴の詳細

第三十四号哨戒特務艇の計画は、1944年10月26日に正式に開始された。起工は株式会社船矢造船鉄工所で行われ、その後の進捗が期待されていた。しかし、1945年5月5日に第三十四号哨戒特務艇の名称が正式に与えられ、初代の艦名が確定するも、状況は厳しく、終戦となる約3ヶ月前には工事の進行が止まった。

この艇は本籍として横須賀鎮守府が仮定され、進捗に対する期待とともに建造が続けられていた。しかし、工事は1945年8月17日に中止され、その時点で船体工程は80%の進捗しかなかった。この段階で、多くの計画が頓挫することとなってしまった。

終戦後、1947年2月1日に、この艦艇は行動不能艦艇に分類された。その際、船体は依然として函館市の船矢造船鉄工所にあり、それに関する管理は大湊地方復員局によって行われた。さらに、同年4月14日には船体の一時使用許可が下り、16日には北海道庁に引き渡される運びとなった。このように、当初の目的や計画とは異なる形で運命が変化することとなった。

その後の転機

1947年10月7日に船体は中内某に引き渡され、11月22日には在東京のアメリカ極東海軍司令部から漁船への改造が認められた。これは本艇の新たな活用方法として試みられたが、その後の消息については詳細が明らかになっていない。多くの未成艦艇があった中で、第三十四号哨戒特務艇は特に歴史の中で一時の光を放った船体として記憶されることになる。

参考資料

この艦艇に関する公式資料としては、海軍省や復員庁が制作した文書が挙げられる。それによって、艦艇の動向や法的な位置づけについて正確な情報が得られる。また、同時代の状況を知るためには、『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』や『日本海軍護衛艦艇史』などの文献も参照する価値がある。これらの文書や歴史資料は、当艦艇の歴史的背景や建造計画、終了の経緯を理解するための重要な資料となっている。

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