第三次サン・イルデフォンソ条約

第三次サン・イルデフォンソ条約

第三次サン・イルデフォンソ条約は、1800年10月1日にフランスとスペインの間で締結された合意である。この条約は、フランスの統領政府と当時のスペイン王国の双方が参加し、重要な外交的合意となった。この合意によって、以前の第二次サン・イルデフォンソ条約で示された内容が再確認され、フランスはスペインから失った領土であるルイジアナを返還されることとなった。

条約の締結は、スペインのラ・グランハ・デ・サン・イルデフォンソ宮殿において行われた。フランスの代表としてルイ＝アレクサンドル・ベルティエが、スペイン側からはマリアーノ・ルイス・デ・ウルキホが参加し、両国間の意思疎通が行われた。条約締結の際は、特定の領地に関する具体的な決定はされなかったが、ブルボン＝パルマ家の公子ルドヴィーコが即位するための領地についての討議が行われ、トスカーナがその候補地として挙げられた。

この条約には具体的な約束事項が数点盛り込まれていた。一つ目は、ルドヴィーコが即位した1か月後にスペインがフランスに対して74門艦を6隻譲渡すること、二つ目はルドヴィーコ即位から6か月後にルイジアナをフランスに返還することが定められていた。これらの条項は、フランスとスペイン双方にとって重要な意味を持つものだった。

興味深い点として、第三次サン・イルデフォンソ条約は秘密裏に締結された。このため、スペイン王カルロス4世の側近であるマヌエル・デ・ゴドイでさえ、条約が完成するまでの約1か月間、その内容を知らされることはなかった。隠されていたこの合意は、当時の政治の裏事情を反映しているとも言える。

残念ながら、ウルキホは1800年の年末に宰相の地位をゴドイに奪われることとなり、フランスからの圧力を受けながらも交渉は続けられた。リュネヴィルの和約によりフランスがトスカーナ大公国を獲得した結果、ルドヴィーコの即位に向けた道筋がつき、再度の交渉が再開された。そしてその結実としてアランフエス条約が締結されることになる。

このように、第三次サン・イルデフォンソ条約は、両国の外交関係において重要な役割を果たし、その後の歴史的背景にも影響を及ぼすこととなった。条約締結の背景には、当時のヨーロッパにおける政治的動向や領土に対する思惑が複雑に絡んでいる。

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