第三関門丸

第三関門丸と第四関門丸の歴史と概要

第三関門丸と第四関門丸は、関門海峡での貨物輸送を担っていた自航式の貨車航送船です。これらの船は1910年代に建造され、関森航路および宇高航路において重要な役割を果たしました。これらの船は、外輪船という特異な形状を持ち、船首および船尾のどちらからでも貨物を積み込むことができるよう設計されていました。これは、関門海峡の特異な潮流に対応するための工夫でした。

建造と就航

この二隻の船は、大阪鉄工所によって建造され、第三関門丸は1921年12月16日に、第四関門丸は1922年1月13日に就航しました。両船とも、車両甲板に専用の軌道を備えており、7トン積の貨車を最大7両まで搭載可能でした。この設計により、関門海峡の急流においてもスムーズに運航することができました。

特徴と操船技術

第三関門丸と第四関門丸は、外輪船方式を採用し、前後対称の船体デザインによりどちらからでも貨車を搭載することができました。操船の際、左右の外輪を独立して回転させる機能があったため、旋回や停止が容易でした。しかし、設計上の問題から、時折軸に過度な負担がかかり、トラブルが頻発しました。

1931年には、これらの船の甲板が改造され、先端部分が延長されました。これにより、ワム型15トン積貨車を7両搭載することが可能になり、貨車の積載方法も船首のみで行うよう変更されました。

運航と歴史の変遷

1942年7月には、関門トンネルが開通し、鉄道車両の渡船サービスが終了しましたが、第三関門丸と第四関門丸はその後、宇高航路へ転属されました。新たな航送場が設置されるなど、宇高航路での運航に必要な設備が拡充されました。

しかし、これらの船の運航中にはいくつかの事故も発生しました。例えば、1943年8月には「第三関門丸」が「昭南丸」と衝突し、さらに1945年11月には「第四関門丸」が「第二関門丸」と衝突するという事例もありました。

運航終了とその後

最終的に、1948年12月27日には、関門丸型の船5隻が運航を停止し、以来新たに就航した紫雲丸型の船にその役割をバトンタッチしました。1950年5月10日には、必要性がなくなったため、日本自動車航送に売却されました。

要目

第三関門丸と第四関門丸の主な仕様は以下の通りです：

• - 総トン数：493.1t
• - 全長：190.0 ft (約57.91 m)
• - 全幅：30 ft (約9.14 m)
• - 最大 carga：7トン積貨車 7両（後に15トン積貨車 7両）
• - 航海速力：第三関門丸は8.9ノット、第四関門丸は9.6ノット

まとめ

第三関門丸と第四関門丸は、関門海峡における貨車輸送の歴史において重要な役割を担っていたことが分かります。これらの船舶の存在は、当時の輸送条件や技術の発展を物語る興味深い一例と言えるでしょう。

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