第九十三号哨戒特務艇

第九十三号哨戒特務艇について

第九十三号哨戒特務艇（だいきゅうじゅうさんごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍が計画した特務艇のひとつであり、第一号型哨戒特務艇の41番艇にあたります。この艦艇は、終戦を迎えた際には未完成の状態でした。

艦艇の設計と建造の経緯

この艇は、マル戦計画に基づく特務艇のひとつであり、当初は第2121号艦型の93番艇として計画されました。仮称艦名は第2213号艦として名づけられましたが、1944年11月5日に正式に第九十三号哨戒特務艇と命名されました。当時、本艇は舞鶴鎮守府に所属することとされ、艦艇番号は第一号型哨戒特務艇の38番艇として登録されました。

同日、艇は市川造船所において起工され、建造が開始されました。しかし、艦艇の建造は進むものの、戦局は厳しさを増し、1945年8月17日には工事が中止されました。その時点での進捗状況はおおよそ65%に達していました。工事中止後は、市川造船所の船台で放置されることになり、艦艇は完成を見ることなく終戦を迎えました。

戦後の状況

終戦後の1947年2月1日、艦艇は行動不能艦艇に分類されました。さらに同年11月22日、在東京アメリカ極東海軍司令部から、本艇を漁船に改造するための許可が下されました。この決定は、日本海軍艦艇の戦後処理の一環として行われたものでしたが、その後の具体的な動きについては明らかにされていません。

脚注と参考文献

この資材の編纂には、海軍省や復員庁に関連する文献が多く用いられています。公式文書としては、1944年の達第363号や、復員庁の二復総第49号などがあります。また、戦後の艦艇の行処理については、アメリカ極東海軍司令部からの文書に基づく情報も含まれています。

なお、艦艇の歴史や背景については、様々な書籍や資料が存在します。特に『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』や『日本海軍護衛艦艇史』などは、艦艇や日本海軍の重要な歴史を知るうえで参考になるでしょう。

まとめ

第九十三号哨戒特務艇は、日本海軍の艦艇の一例として、戦争の厳しさを物語っています。この艦艇は未完成のまま終戦を迎え、その後の運命が不明な点が多いものの、当時の艦艇の建造計画や海軍の状況を振り返る際に重要な存在であると言えるでしょう。

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