第九十二号哨戒特務艇

第九十二号哨戒特務艇

概要

第九十二号哨戒特務艇（だいきゅうじゅうにごうしょうかいとくむてい）は、第二次世界大戦中の日本海軍が計画した未成の特務艇です。この艦艇は、第一号型哨戒特務艇の40番艇として位置付けられています。具体的には、マル戦計画に基づき設計された特務艇で、艦型番号は第2121号、計画名として仮に第2212号艦と呼ばれました。

艦艇の歴史

第九十二号哨戒特務艇は、1944年11月5日に正式に艦名が付けられ、第一号型哨戒特務艇の37番艇として舞鶴鎮守府に本籍を持つことが決定されました。技術的な進展が期待されていたこの艦艇は、その後1945年5月17日に市川造船所で進水しました。しかし、終戦の影響により、艦艇は完成を見ることなく工事が中止されることとなります。

特に、1945年8月17日には工事中止が指示され、艇の工事は95%の進捗を見せつつも完了しないままでした。このように、戦争の影響が技術・建造面での進行を妨げ、艦としての役割を果たすことができませんでした。

終戦後の処遇

終戦後、この艦艇は市川造船所にて繋留されることになります。1947年2月1日には「行動不能艦艇（特）」として定義され、軍事的な目的からは外れることとなります。その後、同年11月22日には在東京アメリカ極東海軍司令部から漁船への改造が許可されましたが、その詳細な行動や最終的な運命についてはあまり知られていません。

文献と出典

この艦艇に関する情報は、さまざまな文献から得られています。海軍省や復員庁の公式文書に加え、昭和19年から昭和22年にかけての歴史的な達示や内令が参考にされています。また、戦後の動向についてはアメリカの極東海軍司令部からの指示が含まれており、艦艇の取り扱いに影響を及ぼしたことがわかります。

さらに、戦後の日本海軍に関する書籍や資料、例えば『日本海軍護衛艦艇史』や『昭和軍艦概史III』なども、艦艇の歴史的な位置づけや終戦後の状況を理解するのに役立ちます。

このようにして、第九十二号哨戒特務艇は数々の困難な状況に見舞われつつも、日本海軍の一環としての存在を持ちながら、その運命を辿ることになりました。

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