第九十号哨戒特務艇

第九十号哨戒特務艇の歴史

第九十号哨戒特務艇は、日本海軍の特務艇カテゴリに属する艦艇であり、第一号型哨戒特務艇の38番艇です。彼の歴史は、1944年の計画から始まります。これはマル戦計画に基づくもので、艦艇番号2121号型の第90番艇として、その建造が決定されました。

1944年1月24日、市川造船所にて起工され、その後の工程で一定の進捗とともに艦名が決定されました。11月5日には第九十号哨戒特務艇と命名され、第一号型哨戒特務艇の35番艇と位置付けられました。本籍は舞鶴鎮守府に置かれました。

1945年の3月15日、船体の概成が完了し、艦艇は市川造船所から横須賀海軍工廠に引き渡されました。4月11日には竣工を迎え、再び舞鶴鎮守府を本籍とし、連合艦隊の第二十二戦隊第三監視艇隊に編成されることとなりました。特務艇長には、同じく4月11日に着任した第三監視艇隊附の石村正英海軍少尉が就任しました。

その後、5月20日には司令艇が本艇へと変更され、乗員数は隊司令を含む71名となりました。この時期、横浜に停泊していたものの、哨戒任務に出た記録はありません。

1945年7月1日には、第三監視艇隊から削除されて舞鶴鎮守府新潟港湾警備隊に編入されます。終戦の際の状況については判明していないものの、8月または9月には酒田港での触雷事故で沈没したとされています。

1947年2月1日、第九十号哨戒特務艇は行動不能艦艇に指定され、同年5月3日には海軍編制の廃止に伴い正式に除籍されました。このように、彼は短い運用期間の中で日本海軍における重要な役割を果たしてきましたが、戦後の動乱によりその歴史は静かに幕を閉じることとなりました。

参考文献

• - 海軍省、復員庁の記録
• - 昭和19年から昭和22年までの内令や達の記録
• - 坂本正器、福川秀樹による『日本海軍編制事典』
• - 世界の艦船 No. 507 増刊第45集『日本海軍護衛艦艇史』
• - 福井静夫による『昭和軍艦概史III』
• - 防衛研修所戦史室の戦史叢書
• - 丸スペシャル No. 49 日本海軍艦艇シリーズ

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