第二広瀬川橋梁

第二広瀬川橋梁：仙山線を彩る雄大なトレッスル橋

宮城県仙台市青葉区を流れる広瀬川に架かる第二広瀬川橋梁は、仙山線陸前白沢駅と熊ヶ根駅間を繋ぐ単線鉄道橋です。別名「熊ヶ根鉄橋」とも呼ばれ、その圧倒的なスケールと美しい景観から、鉄道ファンや写真愛好家に広く知られています。

完成から震災、そして選奨土木遺産へ

1931年（昭和6年）、仙山東線愛子駅～作並駅間の開通に伴い完成しました。完成当時は、水面から約52メートルの高さを持つトレッスル橋として全国で3位を誇り、2014年時点では全国1位の高さを誇る橋梁でした。建設当時としては非常に大規模なプロジェクトであり、仙山東線建設における最大の難工事の一つとして知られています。橋長も、日本のトレッスル橋の中でも立野橋梁に次ぐ2位の長さを誇ります。仙山線が全線開通したのは1937年（昭和12年）で、仙山トンネルの開通を待たなければなりませんでした。

2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災においても、第二広瀬川橋梁は大きな被害を受けることなく、わずかなずれもなく耐え抜きました。その堅牢性は、設計と施工の高さ、そして自然環境への配慮が反映された結果と言えるでしょう。

2014年には、仙台市の市民団体「関山街道フォーラム協議会」の鉄の道部会の活動が実り、仙山線鉄道施設群の一部として、土木学会選奨土木遺産に登録されました。この登録は、第二広瀬川橋梁の歴史的・技術的な価値を広く認められた証です。

巧みな構造と圧巻の景観

第二広瀬川橋梁は上路プレートガーター（上路鈑桁）トレッスル橋という形式を採用しています。9連の上路鈑桁のうち、7連はトレッスル上に設置され、残り2連は隣の上路鈑桁と並列に配置されています。支間は5種類あり、最大支間は21.60mで、この支間の上路鈑桁は中央部への曲げモーメントに対応するため、舟底形となっています。

トレッスルは3脚あり、橋台と2脚の橋脚によって支えられています。4本柱の鋼鉄製トレッスルはレールと直角方向にハの字型に広がり、1.5mから約15mまで広がります。垂直方向にはパネルが設定され、各トレッスルは陸前白沢駅側から順に2、5パネルで構成されています。熊ヶ根駅側が最も近いトレッスルの最下パネルは、斜面上にある2脚が1パネル分短くなっています。各パネルには、斜材がレール方向および枕木方向にX字状に配置され、高い強度を確保しています。

橋脚の高さを高くすることで橋梁の長さを最短に抑え、建設費用やメンテナンスコストの削減に成功しています。この設計思想は、渓谷の狭い場所に橋を架ける必要性から生まれたものです。結果として、水面からレール面までの高さは約52mという、非常に高い橋梁となっています。

アクセスと周辺環境

広瀬川を挟んで、左岸側は青葉区熊ヶ根町、右岸側は青葉区上愛子道半に位置します。仙山線の営業キロ程で起点より22.8km、熊ヶ根駅から陸前白沢方へ850mの位置にあります。並行して国道48号熊ヶ根橋が架かっており、道路橋上から峡谷美と列車の走行風景を同時に楽しめるため、列車撮影の絶好のスポットとなっています。

河岸段丘をまたぐように架橋されているため、橋台側へのアクセスは比較的容易ですが、橋脚への接近は困難です。橋の愛称の由来となった熊ヶ根は、かつて関山街道の宿場町であり、熊ヶ根城址や宿場跡などの史跡が周辺に点在しています。最寄りの交通機関は、国道48号線上にある仙台市営バス「熊ヶ根橋」バス停です。

第二広瀬川橋梁は、その壮大な景観、歴史、そして技術的・文化的価値から、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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