第二楽章 (さだまさしのアルバム)

『第二楽章』は、シンガーソングライターのさだまさしが2014年9月10日にリリースしたオリジナル・アルバムで、ソロ活動38枚目、グレープ時代を含めると42枚目にあたります。前作『もう来る頃…』から約2年ぶりの作品であり、さだまさしの音楽人生の新たなステージを感じさせる意欲的なアルバムです。

このアルバムには、シングルとして事前にリリースされた「残春」や、さだが他のアーティストに提供した楽曲のセルフカバーも含まれています。アルバムのタイトルについて、さだは「40年を超えるキャリアの中で、まだ第一楽章の途中であることを自覚し、自身への戒めとした」と語っています。これは、彼にとって常に新たな挑戦を続ける姿勢を示したものであり、ファンにとっても感慨深いものです。

当初はプロデューサーの渡辺俊幸と、親しい後輩であるTHE ALFEE|THE_ALFEEの高見沢俊彦と共に全曲コラボレーションを目指していたそうですが、スケジュール調整が難しくなり、最終的には様々な楽曲を組み合わせて最終形となりました。アートディレクションは箭内道彦によって手掛けられ、ジャケットには若手俳優の高杉真宙の写真が使われています。また、特別なバージョンとしてさだ本人の写真を使用したジャケットも存在し、ファンの購買心を掻き立てました。

このアルバムはオリコンチャートで初登場7位を記録し、前作の9位、過去のベストアルバムの3位ともに、3年連続でトップ10に入る成果を収めました。

収録されている楽曲についても紹介します。オープニングを飾る「遠い夏（シネマ・ヴァージョン）」は、アニメ映画『ジョバンニの島』の挿入曲であり、曲調に深い情感が宿っています。「夢の轍」は橋幸夫への提供曲で、さだの1982年の同名アルバムを彷彿とさせます。また、「さくらほろほろ」は島根県邑南町のイメージソングとして企業CMにも使われ、地域と密着した楽曲として親しまれています。

他にも、小林幸子への提供曲「茨の木」や、映画『サクラサク』主題歌の「残春」など、バラエティ豊かな曲構成が魅力の一部です。特に「家路」は、さだが観光大使を務める地域のCMソングとしても親しまれ、地域振興にも寄与しています。「豆腐が街にやって来る」は、さだ自身が声優として参加したアニメ映画の挿入曲で、音楽を超えて多岐にわたる活躍が伺えます。

アルバムの全楽曲は、さだの作詞・作曲によるもので、編曲も多数の才能あるミュージシャンが参加しています。主な参加ミュージシャンには、アコースティック・ギターの田代耕一郎や、エレキギターには松原正樹、高見沢俊彦が名を連ね、充実したサウンドとなっています。

全体を通して、さだまさしの魅力が満載の『第二楽章』は、彼の音楽スタイルをさらに深化させるものとなりました。オリジナル作品へのこだわりと、音楽に対する情熱が感じられ、ファンにとっても新たな価値を提供する内容になっています。

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