第二次ミトリダテス戦争

第二次ミトリダテス戦争：ポントスとローマの再戦

第二次ミトリダテス戦争は、紀元前83年から紀元前81年にかけて、ポントス王国とローマ共和国の間で勃発した紛争です。これは、3度にわたるミトリダテス戦争の2番目に位置づけられます。

開戦までの経緯

第一次ミトリダテス戦争において、ポントス王ミトリダテス6世は初期段階で優勢を確立しましたが、ルキウス・コルネリウス・スッラ率いるローマ軍に敗北し、最終的には戦前の領土に戻るという条件で和約を結びました。スッラがローマへ帰還した後、ルキウス・リキニウス・ムレナが2個軍団を率いてこの地域に駐留しました。

しかし、ミトリダテス6世は、和平条約で返還を約束したカッパドキアの一部を依然として占領下に置いており、ローマが支援するアリオバルザネス1世は王位に復帰できていませんでした。ムレナは、自身の軍事的栄光を追求し、ミトリダテス6世との再戦を望んでいました。

戦争の経過

紀元前83年、ムレナはローマ軍を率いてカッパドキアを占領し、さらにポントス領へと侵攻を開始しました。ミトリダテス6世は、この事態に対し、ローマ元老院に使者を派遣し抗議しました。元老院はムレナに攻撃の中止を命じましたが、ムレナはこれを無視し、攻撃を継続しました。

当初は抗戦を控えていたミトリダテス6世でしたが、事態の悪化を受けて迎撃のために出陣しました。紀元前82年、ミトリダテス6世はムレナ軍と会戦し、これを打ち破りました。ローマ軍はカッパドキアから撤退しました。

講和

スッラはアウルス・ガビニウスを使者として派遣し、ムレナに戦争の停止を命じるとともに、ミトリダテス6世に対し、アリオバルザネス1世の王位復帰を要求しました。交渉の結果、ミトリダテス6世は4歳の娘をアリオバルザネス1世に嫁がせる代わりに、カッパドキアの一部を獲得することで合意しました。こうして、開戦から3年を経て、第二次ミトリダテス戦争は終結しました。

参考文献

Appian, Roman History*, Volume II. Horace White訳, Harvard University Press, 1912.

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