第二次世界大戦下のスペイン

第二次世界大戦下のスペイン

第二次世界大戦期間中のスペインは、フランシスコ・フランコ政権のもとで特異な立ち位置にありました。この国は表向き中立を掲げながらも、実質的には枢軸国に寄り添う姿勢を見せていました。

前史：スペインの背景

スペイン内戦を経たフランコ政権は、ドイツやイタリアからの支援を受け、共産主義に対する抵抗姿勢を強めていました。内戦の泥沼と経済の疲弊により、国は長期的に中立を維持することが困難でした。加えて、ポルトガルやイギリス植民地のジブラルタルと隣接しているため、重要な地政学的要素を持っていました。このような背景から、スペインは連合国とも枢軸国とも加担しない微妙な立場を取ることになります。

枢軸参加への交渉

ドイツがポーランドを侵攻した際、スペインは一応の中立を宣言しましたが、ソ連の行動に対しては批判的でした。特に、1940年6月のフランスの降伏はスペインに枢軸国への参加を促す契機となります。フランコは中立を放棄し、非交戦を宣言し、実質的に準枢軸国となりました。この時、スペインはタンジェに侵攻し、モロッコを併合しました。

しかし、ヒトラーは当初スペインの状況に冷淡でした。しかし、連合国の勢力が強まる中、スペインは枢軸国の一員になることを模索し始めました。9月からはラモン・セラーノ・スニェールがベルリンで同盟交渉を開始し、スペインはジブラルタルとフランスの植民地に対する権益を求めましたが、既存の同盟の枯渇もあり、交渉は難航しました。

青師団の派遣

1941年に独ソ戦が開戦すると、フランコ政権はボリシェヴィキに対抗するためとして青師団を組織し、義勇兵を派遣しました。この部隊は東部戦線で戦いましたが、その後帰国を求める声が高まり、1943年には正式に帰国命令が出されました。とはいえ、一部の部隊は戦闘に参加し続けました。

戦争後期の外交

日本軍の活動が活発化する中、スペイン政府は日本に対して祝電を送るなど、感情的に親枢軸国の立場を強調しました。しかし、このことはアメリカとの緊張を生む要因となりました。1942年以降、アメリカはスペインの活動を監視し、経済的な制約を設けました。特に、スペインがドイツにタングステンを輸出することを制限し、残存する枢軸国のスパイ活動を問題視しました。

1939年以降、フランコはドイツと連合国との講和を仲介しようとしましたが、この試みは成功せず、1943年にイタリアが休戦すると非交戦の立場を宣言しました。さらに、フランコ政権はバドリオ政権を承認し、枢軸国への傾斜を緩めていきます。

戦後の影響

日本が降伏した後、スペインはアメリカに対する祝意を表しましたが、冷たい反応を受けました。戦後、この国は国際関係の希薄さから孤立し続け、1948年まで援助を得ることができませんでした。この間、スペインは元ナチスの逃亡者たちを支援し、南アメリカへと逃げる手助けを行いました。フランコ政権はこのような行動が国際的に評価されることはないと理解しつつ、今後の国際社会参画を模索しなければなりませんでした。

総じて、スペインは第二次世界大戦の複雑な国際情勢の中で独自の道を模索し、評価されるべき歴史を刻み続けました。

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