青師団

青師団（第250歩兵師団）

青師団は、第二次世界大戦中にスペインからの義勇兵から成る部隊で、ドイツ軍に参加し、特に東部戦線で活動しました。この部隊はフランシスコ・フランコの指導のもとで編成され、アドルフ・ヒトラーの許可を受けて結成されました。スペイン政府はドイツ国防軍と協力しつつ、共産主義に対抗することを目的として、この義勇兵部隊を派遣することを決定しました。

編成の背景

フランコ政権は第二次世界大戦において中立を維持しましたが、東部戦線におけるボルシェビズムへの抵抗として義勇兵の派遣を決定しました。これにより、フランコは西側連合軍との和平を保ちつつ、ヒトラーへの支持を示しました。1941年6月に義勇兵参加が承認され、多くの志願者が集まりました。最終的には将校2,612名、兵士15,492名が集まり、約18,104名の兵力で青師団が編成されました。特に、スペイン内戦の経験がある兵士が多かったことが特徴です。

師団の訓練と配備

1941年7月、青師団はドイツで訓練を受け、その後4個歩兵連隊に分かれました。それぞれバルセロナ、バレンシア、セビリャの名を冠した連隊は、ドイツ国防軍と共にモスクワへの進軍を目指しました。義勇パイロットたちからなる「青戦隊」は、ソビエト空軍に対しても戦果を上げ、156機を撃墜しました。

戦闘と戦略

青師団は1941年8月、共産主義との戦いを宣誓し、中央軍集団に配属されました。モスクワ攻撃に参加し、その後はレニングラード包囲戦へと向かい、数多くの戦闘を経験しました。特に厳しい冬の中、ソビエト赤軍との激闘に耐え抜き、多大な犠牲を出しながらも戦線を維持しました。フランコ政権による追加の支援が送られたものの、戦闘は厳しさを増しました。

師団の解散とその後

1943年には連合国やフランコ政権内の圧力が影響し、青師団は撤退を余儀なくされました。帰国を希望しない兵士もいましたが、最終的には約3,000名が帰国命令を受けました。残った兵士たちはドイツ軍に編入され、新たな義勇部隊「青外人部隊」として活動しました。その後もいくつかの部隊が解散し、最後の部隊も命令に基づいて帰国しました。

戦闘の影響と遺産

青師団の戦闘に参加した兵士の数は45,000名を超え、戦闘の中で多くの勲章を授与されました。戦闘の犠牲者数は、おおよそ戦死4,954名、負傷8,700名とされ、その後のスペイン内の政治情勢においても青師団所属の将校たちが重要な役割を果たしました。特に1970年代から1980年代にかけての民主主義への移行期において、彼らの経験と影響は顕著でした。

ノブゴロドの十字架

青師団がノブゴロドに駐留していた際、大聖堂の十字架が戦闘により損傷を受け、その後スペインに運ばれました。60年以上にわたりスペインに保管されていましたが、2004年にロシア正教会へ返還されました。これは青師団の歴史的遺産として注目される出来事でした。

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