第二次戦略兵器削減条約

第二次戦略兵器削減条約（START II）

第二次戦略兵器削減条約（START II）は、1993年1月3日にアメリカとロシアの間で締結された重要な軍縮条約で、核兵器の削減を目的としています。START IIは、1982年から続く戦略兵器削減交渉（START）を起源としており、米露両国が核兵器削減に向けて取り組んできた結果、誕生しました。

START IIは、第一次戦略兵器削減条約（START I）が1991年に締結されたことを受け、その改良版として位置付けられています。この条約では、両国が保有する核弾頭の数を大幅に削減し、より安全な国際秩序を実現することが目指されました。具体的には、2003年までに米露間の核弾頭数を3,000から3,500発以下に減らすことが義務づけられ、また、他国からの脅威に対する防衛策の一環として、ICBM（大陸間弾道ミサイル）のMIRV（多弾頭再突入体）の導入も禁止されました。

1996年、アメリカ議会はこの条約の批准を行いましたが、ロシア議会は同様の行動を取らずに拒否しました。この結果、1997年に締結された議定書において、条約の弾頭削減期限が2007年まで延長されることとなりました。しかし、この議定書についてはアメリカ議会が批准せず、2000年にはロシア側が批准しましたが、2001年にアメリカが弾道弾迎撃ミサイル制限条約を廃止したことから、ロシアはSTART IIを履行しないとの立場を取りました。

その後も両国は核兵器削減に関する交渉を続け、1999年からは第三次戦略兵器削減条約に関する議論が進められましたが、START IIの実行がなかったために、交渉は停滞してしまいました。さらに、2001年以降、アメリカの安全保障政策が対テロを中心に展開される中で、両国の核兵器の大量保有の必要性は次第に減少していきました。これに伴い、2002年には戦略攻撃能力削減に関する条約が結びつつ、核兵器の削減を図る新たな方針が打ち出されました。

最終的に、START IIの成立とその後の展開は、冷戦後の国際情勢に大きな影響を与え、核軍縮の歩みを進める上での重要なステップとなりました。また、米露間の信頼関係の再構築や、国際的な平和と安全を確保するための基盤を形成することにも寄与しています。これにより、冷戦の遺産である核戦争の脅威を減少させ、より安定した国際関係の確立を目指す動きが強化されました。

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