第二水俣病

第二水俣病について

第二水俣病（だいにみなまたびょう）は、新潟県において有機水銀による中毒が発生した公害病であり、昭和電工（現在のレゾナック・ホールディングス）の工場廃液がその原因となりました。この病は、1965年に最初に確認され、熊本県の水俣病と同様の症状を持つことからその名が付けられました。

水俣病と同じく、第二水俣病も日本の高度経済成長期の公害病の一つとされ、特に新潟県阿賀野川下流域での患者発生に伴い、別名「新潟水俣病」とも呼ばれました。この病の発生は四大公害病の中で最も遅かったにもかかわらず、訴訟が早期に提起され、現在でも自発的な訴訟が続いています。

原因

第二水俣病の原因物質であるメチル水銀は、昭和電工鹿瀬工場から阿賀野川に排出されたものです。この工場は1929年に操業を開始し、1940年代以降は有機合成化学製品の生産において重要な役割を果たしました。1957年には昭和合成化学工業が吸収合併され、その後、アセトアルデヒドを生産するために大量のメチル水銀が発生しました。

1965年にアセトアルデヒドの生産が終了する時点で、既に環境中にメチル水銀が存在しており、その結果として川魚の食物連鎖を通じて人々に中毒が広がったのです。特に、阿賀野川の下流部に住む人々が高濃度のメチル水銀を含む川魚を食べることで、重篤な健康被害が発生しました。

経過

1967年6月、被害を受けた患者たちは昭和電工を相手に損害賠償を求める訴訟を起こしましたが、会社側は他の要因、例えば新潟地震による農薬流出を原因として主張しました。しかし、これに対する地元当局の調査によって、農薬が原因ではないことが証明されました。

1971年には新潟水俣病第1次訴訟で原告勝訴の判決が下され、企業の過失責任が認められました。これは日本の公害関連訴訟において、画期的な判例として位置付けられました。また、第二水俣病の発生は、政府が正確に原因を調査せず、昭和電工の工場操業を継続させた結果としても責められています。このため、本来防げた悲劇であったと言われています。

さらに、昭和電工は証拠を隠滅しようとし、さまざまな資料を廃棄したことから、事件の全容を解明することは極めて困難となっています。国における患者認定は依然として厳格で、新潟県は政府の基準に従わず、救済措置を講じています。

結論

第二水俣病は、環境公害が市民の健康に及ぼす影響を強く示す事例であり、企業の責任や政府の対応の重要性を考えさせる教訓となりました。公害病問題は、単なる過去の出来事ではなく、現在も影響を及ぼすテーマであり、今後の環境政策においてもその教訓が活かされることが重要です。

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