第五三一海軍航空隊

第五三一海軍航空隊

第五三一海軍航空隊は、大日本帝国海軍に所属した航空隊の一つです。太平洋戦争末期、内南洋の防衛を担う主力雷撃機隊として、雷撃、爆撃、哨戒といった多様な任務に従事しました。

編成と初期の活動

アリューシャン列島方面での戦況悪化に伴い、北方警戒用の基地航空隊の一翼として、雷撃機隊が整備されることになりました。こうして第五三一海軍航空隊は、呉飛行場において編成されました。当初は第十二航空艦隊第二十四航空戦隊に所属し、館山飛行場での訓練を経て、千歳飛行場や美幌飛行場に進出し、千島列島方面の哨戒任務に就きました。

しかし、ギルバート諸島が陥落し、マーシャル諸島の情勢も緊迫化すると、第五三一海軍航空隊は、マーシャル諸島方面へ急遽投入されることになります。これは、同方面の機動部隊を迎え撃つためのものでした。

マーシャル諸島での戦い

1943年11月、第五三一海軍航空隊はマーシャル諸島のマロエラップ環礁に進出しました。司令部はクェゼリン環礁のルオット島に置かれました。ところが、同年12月5日には、敵機動部隊がマーシャル諸島に侵攻を開始します。この時、第五三一海軍航空隊は、天山6機で迎撃を試みましたが、戦果を上げることはできず、全機が失われるという甚大な損害を受けました。

その後も、敵機動部隊による攻撃は続き、12月30日には、再びマーシャル諸島への攻撃が行われ、第五三一海軍航空隊は多くの機体を失いました。さらに、12月31日にはクェゼリン環礁で地上戦が開始され、五三一空の地上要員も戦闘に参加することになりました。

玉砕と解隊

1944年2月5日、クェゼリン環礁からの通信が途絶し、第五三一海軍航空隊は玉砕と認定されました。2月11日には、敵機動部隊によるマロエラップ環礁への艦砲射撃が行われ、マロエラップ飛行場は壊滅状態に陥りました。そして、2月20日、第五三一海軍航空隊は解隊されることとなりました。

ギルバート諸島上空での航空戦の結果、マーシャル諸島を防衛する戦闘機隊は壊滅的な状態となっており、マーシャル諸島の防空は事実上不可能となっていました。その結果、空襲と地上戦によって、航空兵力は一気に壊滅してしまったのです。

主力機種

第五三一海軍航空隊の主力機種は、雷撃機「天山」でした。

歴代司令

佐々木健爾（昭和18年7月1日 - 昭和19年2月20日解隊）

関連項目

大日本帝国海軍航空隊一覧

参考文献

『日本海軍編制事典』（芙蓉書房出版、2003年）
『航空隊戦史』（新人物往来社、2001年）
『日本海軍航空史2』（時事通信社、1969年）
『戦史叢書　海軍航空概史』（朝雲新聞社、1976年）
『戦史叢書　中部太平洋方面海軍作戦2』（朝雲新聞社、1973年）
『航空戦史雑想ノート』（個人ブログ）
『連合艦隊海空戦戦闘詳報別巻1』（アテネ書房、1996年）

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