雷撃機

雷撃機とは

雷撃機（らいげきき）とは、軍用機の一種で、主に航空魚雷を用いて艦船を攻撃することに特化した飛行機を指します。正式には「雷爆撃機」とも呼ばれ、通常は水平爆撃機能も併せ持っています。これにより、敵艦船に対する効果的な攻撃手段を提供しています。

背景と発展

航空機による艦船への攻撃方法は試行錯誤を経て、特に魚雷を使用した攻撃が重要視されるようになりました。水上艦に対する攻撃手段の中でも魚雷を用いただけでなく、水平爆撃と比べても水線下への攻撃が可能であることから、艦船の浸水または撃沈が期待できました。また、魚雷は一定の深度を保って前進するため、無誘導の爆弾に比べて高い命中率を誇りました。

艦船攻撃手段としては、急降下爆撃も挙げられます。急降下による爆撃は、投下高度が低くなるため着弾時の運動エネルギーが小さく、装甲への貫通力が低下しがちな一方で、目標への高い命中率が期待できるため、特に航空母艦や装甲の薄い艦船に対して効果的です。しかし、装甲の厚い戦艦に対しては決定打とならないため、雷撃との組み合わせが求められることも多かったのです。

雷撃機の特徴

雷撃機には、重い魚雷を携行するための搭載能力や、急降下に耐えるための運動性が求められます。一方、急降下爆撃機は急激な機体の引き起こしに耐える強度が必要です。このため、両者の性能は異なり、それぞれに特化した機体が開発されました。特に雷撃機は「雷撃機」と呼ばれるのに対して、急降下爆撃用の機体は一般的に「急降下爆撃機」と呼ばれています。

第二次世界大戦における運用

雷撃機は第一次世界大戦中にも使用例が存在しましたが、その本格的な運用は第二次世界大戦から始まりました。この期間中、日本やアメリカ、イギリスといった海軍国は、多くの雷撃機を開発・配備し、各国独自の戦略を展開しました。

例えば、アメリカ海軍では「雷撃爆撃機」（Torpedo Bomber）という名称で具体的な機種が登場しました。これにはTBDデヴァステイター、TBF/TBMアヴェンジャーといった機体が含まれ、これらは魚雷を搭載する能力を有していました。

日本海軍では、艦上攻撃機として急降下爆撃ができない大型爆弾または魚雷を搭載する機体が開発されました。例えば、九七式艦上攻撃機や天山艦上攻撃機などが挙げられます。特に、九七式艦上攻撃機は高性能な艦上攻撃機として第二次世界大戦中に重要な役割を果たしました。

戦後の変化

第二次世界大戦後、航空機に対する対空兵器の発展により、魚雷攻撃を含む航空攻撃は一般的ではなくなります。特に艦船の防御力向上に伴い、対艦ミサイルなど別の攻撃手段が優先されるようになりました。しかし、誘導魚雷の進化は対潜水艦攻撃においては依然として有効な手段とされ、対潜哨戒機として運用される場合が多くなりました。

結論

雷撃機は、特化した設計と役割に基づいて作られており、第二次世界大戦において重要な役割を果たしました。急降下攻撃との組み合わせや、各国での運用の歴史を通じて、雷撃機の存在は軍事航空の発展に貢献し続けています。

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