第五号型水雷艇

第五号型水雷艇（だいごごうがたすいらいてい）

概要

日本海軍の水雷艇として名を馳せた第五号型水雷艇は、1885年度にフランスのシュナイダー社に発注されました。この艦艇はその設計がフランス海軍の第75号型水雷艇に基づいており、艦の造船はフランスのシャロン＝シュル＝ソーヌで行われましたが、組み立て作業は日本の小野浜造船所で行われました。特に第5号から第9号の艦艇はフランスで建造され、小野浜での組み立てが行われたため「クルーゾー型」とも呼ばれています。1886年から1890年にかけて、日本で設計に関わったのはルイ＝エミール・ベルタンであり、これにより艦艇の特色が形成されました。

建造当初は転覆事故が多発したため、設計の改正が行われ、各艦の耐性が向上しました。また、1900年代初頭には、艦艇の機関も日本国内で製造されるようになり、自給自足の体制が整いました。

戦歴

日清戦争において、これらの水雷艇は重要な役割を果たしました。特に1895年2月5日早朝の威海衛攻撃において、第5号や第6号が参加し、艦長の鈴木貫太郎大尉が指揮を執りました。攻撃時には「定遠」に魚雷が命中し、艦を大破させるという成果を収めました。しかし、第9号はその後の戦闘において被弾し、機関が全滅。漂流していると、後に清国軍に拾われることとなり、日本海軍における唯一の敗北となりました。

1895年に第16号が沈没し、その後残る艦艇も1907年から1910年にかけて除籍され、歴史の舞台から姿を消していくことになります。

同型艦

以下は第五号型水雷艇の同型艦一覧です。
1. 第5号: 1892年3月26日竣工、1907年9月28日除籍。
2. 第6号: 1892年3月26日竣工、1908年4月1日除籍。
3. 第7号: 1892年4月2日竣工、1910年4月1日除籍。
4. 第8号: 1892年4月7日竣工、1910年4月1日除籍。
5. 第9号: 1892年4月11日竣工、1908年4月1日除籍。
6. 第10号: 1892年4月17日竣工、1908年4月1日除籍。
7. 第11号: 1894年3月31日竣工、1910年4月1日除籍。
8. 第12号: 1893年10月11日竣工、1910年4月1日除籍。
9. 第13号: 1893年10月11日竣工、1910年4月1日除籍。
10. 第14号: 1893年10月18日竣工、1908年4月1日除籍。
11. 第16号: 1893年11月29日竣工、1895年5月11日沈没。
12. 第17号: 1893年11月29日竣工、1910年4月1日除籍。
13. 第18号: 1893年11月1日竣工、1910年4月1日除籍。
14. 第19号: 1894年2月17日竣工、1910年4月1日除籍。

このようにして、第五号型水雷艇は日本海軍の時代を象徴する艦艇の一つとして記憶され、数多くの戦歴を残しました。

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