第八十四号哨戒特務艇

第八十四号哨戒特務艇の概要

第八十四号哨戒特務艇（だいはちじゅうよんごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍の特務艇であり、第一号型哨戒特務艇の36番艇として位置づけられています。太平洋戦争の終戦時には残存しており、その後も継続して掃海任務に従事しました。

艇の歴史

この特務艇は、1944年にマル戦計画のもとで建造が計画され、特務艇第2121号艦型の84番艇として設計されました。1944年11月5日に正式に第八十四号哨戒特務艇と命名され、舞鶴鎮守府が本籍地となりました。その後、1945年4月30日には船体が完成し、株式会社米子造船所から舞鶴海軍工廠へ引き渡されました。

1945年6月7日には竣工し、再び舞鶴鎮守府に所属することになりました。しかし、終戦を迎えると、1950年に海軍省が廃止されたことで艦名を変えつつも、掃海艦としての役割は継続しました。

戦後の運用

終戦後の日本では、第八十四号哨戒特務艇は、1945年12月から掃海任務へと移行しました。新潟掃海部や舞鶴掃海部など、さまざまな部隊に所属しながらも一貫して掃海に従事しました。1948年になると、復員庁が廃止されたことに伴いその管理が運輸省へと移管され、海上保安庁に編入されることとなります。

その後、朝鮮戦争が勃発すると、本艇は特別掃海隊に配属され、元山沖の掃海任務を行いました。掃海任務は日本の安全保障上、重要な役割を果たしており、この特務艇もその一端を担いました。

1951年12月には艦名がつるしま MS-19に改称され、1952年には保安庁警備隊に移管されました。以降、海上自衛隊の改組を経て、掃海艇として活躍し続けました。

その後の経歴

1958年には新たに艇番号をMSI-685に改正し、以降も掃海業務を担当しました。しかし1963年には、支援船に編入され、掃海雑船へと改名されました。1963年3月31日には海上自衛隊から除籍され、その歴史に幕を下ろしました。

このように、第八十四号哨戒特務艇は、戦時中から戦後にかけて数々の変遷を経ています。その活動は、日本の海上交通の安全を守るための重要なものであり、特命任務を遂行した歴史の一端を示しています。

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