第十七号型掃海艇

第十七号型掃海艇

第十七号型掃海艇は、大日本帝国海軍が建造・運用した掃海艇の艦型です。同型艇は二隻が存在しました。

計画と設計

本型は、当初、先行する第十三号型掃海艇の五番艦および六番艦として計画が進められていました。しかし、計画途中に発生した友鶴事件、すなわち多数の艦艇が転覆・大破した事故の教訓を踏まえ、船体の設計が大幅に見直されることとなりました。この設計変更の主眼は、艦の復原性能を根本的に改善することに置かれており、その結果として独立した艦型である第十七号型として完成に至りました。

設計の変更に伴い、船体は第十三号型と比較してやや小型化されています。また、艦首の形状については、第十三号型で採用された直線的なクリッパー型から、再び従来の掃海艇に見られたダブルカーブ型が採用されました。

動力機関についても変更が見られます。当初、レシプロ機関が予定されていましたが、より高性能なタービン機関への換装が決定されました。ボイラーは、前型と同じく重油と石炭を混焼可能な缶二基が搭載され、機関部を構成しています。

運用と戦歴

建造された二隻、すなわち第十七号掃海艇および第十八号掃海艇は、両方とも太平洋戦争の開戦時には既に就役しており、戦時中は主に輸送船団の護衛任務に従事しました。掃海任務に加え、哨戒や対潜任務など多岐にわたる活動を展開しています。

厳しい戦局の中で、本型の二隻はそれぞれの運命をたどりました。第十八号掃海艇は、船団護衛任務中に敵航空機からの攻撃を受け、南方海域（現在の海南島付近）で沈没し、失われました。

一方、第十七号掃海艇は、終戦時まで戦没せずに残存していました。しかし、終戦直前の機雷原における活動などにより、船体は大きな損傷を負っていました。この損傷のため、戦後に行われた在外邦人の引き揚げや、軍人・軍属の復員輸送任務に使用されることはなく、そのまま係留された後、最終的に解体処分されることとなりました。

戦時中には、他の多くの艦艇と同様に、対空兵装である機銃の増備などの改修が行われたと考えられています。

同型艇

第十七号掃海艇
1936年1月15日、大阪桜島にて竣工。
1945年8月2日、鎮海にて触雷により損傷。
1948年、佐世保船舶工業（旧佐世保海軍工廠）にて解体。

第十八号掃海艇
1936年4月30日、三井造船にて竣工。
* 1944年11月26日、海南島付近で航空機攻撃により沈没。

本型は、友鶴事件の教訓を設計に反映させた最初の艦型の一つであり、日本海軍における艦艇設計の転換点を示す存在として位置づけられます。しかし、その短い艦齢は厳しい戦時下の運用によって彩られ、二隻とも失われる結果となりました。

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