第十八号掃海艇

第十八号掃海艇（だいじゅうはちごうそうかいてい）

日本海軍が運用した掃海艇の一隻、第十八号掃海艇（だいじゅうはちごうそうかいてい）について解説する。本艇は、同型艦である第十七号型掃海艇の二番艦として計画され、その能力を活かして多岐にわたる任務を遂行することを期待された艦艇であった。

艦歴

第十八号掃海艇の建造は、昭和10年（1935年）2月20日に三井物産造船部玉工場で開始された。約半年の工程を経て、同年9月19日には無事に進水。その後、最終的な艤装工事や各種試験などを経て、昭和11年（1936年）4月30日に竣工を迎えた。竣工と同時に、本艇は第十八号掃海艇と命名され、日本海軍の掃海艇として正式に艦籍に編入され、就役した。

就役後、本艇は間もなく実戦投入されることとなる。昭和12年（1937年）に勃発した日中戦争においては、昭和14年（1939年）頃まで中国大陸方面での作戦に従事した。華中および華北といった主要な戦域において、掃海任務やその他の作戦支援活動に従事し、その初期の役割を果たした。

太平洋戦争が開戦すると、戦域を広げた日本海軍の作戦に従事することとなった。戦争初期に推進された南方侵攻作戦においては、上陸作戦の支援や占領地の確保に関わる任務に投入されたと考えられる。その後、戦局が推移し海上交通路の維持が極めて重要になると、本艇は多数の船団護衛任務に投入された。敵潜水艦や航空機による攻撃が激化する厳しい状況下で、輸送船団を目的地まで無事に護衛するという、危険ながらも不可欠な任務を担い続けたのである。

しかし、激化する戦況の中で本艇もその被害を免れることはできなかった。昭和19年（1944年）11月26日、中国大陸南方に位置する海南島の西角から南へ約75海里離れた海域を航行中、第十八号掃海艇はアメリカ陸軍機の激しい攻撃を受けた。敵機による執拗な爆撃や機銃掃射により、本艇は致命的な損傷を被り、そのまま回復不能な状態となった。懸命な応急処置もむなしく、この海域で沈没、多くの乗組員とともに海の底へと姿を消した。

本艇の沈没から約1ヶ月半が経過した昭和20年（1945年）1月10日、日本海軍は本艇を正式に除籍した。これにより、第十八号掃海艇は昭和11年の竣工から約8年半の、日中戦争から太平洋戦争末期にかけて第一線で活躍した艦としての歴史に正式に幕を下ろした。

歴代艇長

第十八号掃海艇の艇長を務めた士官は以下の通りである（就任日順、艤装員長を含む）。

艤装員長：中杉清治 大尉（昭和10年10月15日 - ）
艇長：
中杉清治 少佐（昭和11年4月30日 - 昭和11年12月1日）
若林一雄 少佐（昭和11年12月1日 - 昭和13年12月1日）
東日出夫 少佐（昭和13年12月1日 - 昭和14年11月15日）
高塚実 大尉（昭和14年11月15日 - 昭和15年11月15日）
渋谷隆 大尉（昭和15年11月15日 - 昭和16年5月15日）
河原政頼 予備大尉（昭和16年5月15日 - ）

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