第四次マイソール戦争

第四次マイソール戦争

第四次マイソール戦争（Fourth Anglo-Mysore War）は、イギリス東インド会社とマイソール王国の間で、南インドで展開された戦争です。この戦争は、1799年5月4日、マイソールの君主ティプー・スルターンが戦死したことで幕を閉じ、イギリスは南インドにおいて完全な覇権を確立しました。

戦争に至る経緯

戦争の背景には、1792年の第一次マイソール戦争後の影響がありました。当時、ベンガル総督チャールズ・コーンウォリスが帰国した後、リチャード・ウェルズリーが新たに総督に就任しました。ウェルズリーは、マイソール王国とニザーム王国がフランス軍を雇っているという情報に基づき、彼らの動向に強く警戒しました。特に1797年には、ティプー・スルターンがフランスに援軍を求める使節団を派遣し、これがイギリスにとっての開戦の口実を提供しました。

戦争の準備

ウェルズリーは、1798年にニザーム王国と軍事保護条約を締結し、軍事的な同盟を強化しました。この動きを知ったティプー・スルターンは、イギリスとの関係が悪化していることを理解しましたが、ウェルズリーからの軍事顧問の追放要求に対して強硬な態度を維持しました。

戦争の勃発

1799年2月3日、イギリス軍がマイソール王国への侵攻を開始しました。軍勢は二手に分かれ、アーサー・ウェルズリー及びニザーム軍と共に進軍しました。華々しい装備と経験豊富な指揮官たちによるこの大軍には、マイソールの軍勢は大きく劣っていました。

マイソール側の連敗

マイソール王国は連戦連敗を喫し、その結果事態は厳しさを増しました。3月6日に発生したシーダシールの戦いでは、圧倒的な数のマイソール軍が敗北し、さらなる損害を被りました。4月にはシュリーランガパトナを包囲するイギリス軍が到着し、戦況は決定的に不利になりました。

ティプー・スルターンの死

包囲戦が続く中、5月4日にイギリス軍はシュリーランガパトナに総攻撃をかけ、ティプー・スルターンは戦闘において命を落としました。この時点で、マイソール王国の抵抗は事実上終わりを迎えました。

戦後処理とその後の影響

戦争後、イギリスは新たにオデヤ朝を復活させ、幼王クリシュナ・ラージャ3世を即位させました。マイソールは軍事保護国とされ、イギリスの影響下に置かれました。また、ニザーム藩王国やマラーター王国とともに領土分割が行われました。この結果、イギリスは南インドにおける圧倒的な覇権を握ることになりました。戦後、ティプー・スルターンの戦死後におこったポリガール戦争や、マラーター王国への介入など、南インドの情勢は一層複雑化したのです。

この戦争は、イギリスの植民地政策の一環として大きな意味を持っており、後のインド史における重要な転機となりました。

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