第百十一号哨戒特務艇

第百十一号哨戒特務艇

第百十一号哨戒特務艇（だいひゃくじゅういちごうしょうかいとくむてい）は、日本海軍における未成の特務艇であり、第一号型哨戒特務艇の一部として位置づけられています。この艦艇は、特に1944年以降のマル戦計画に基づいて建造されることとなりました。

艦艇の設計と命名

本艇は、特務艇の序列の中で第2121号艦型に属し、111番艇として計画されました。当初は仮称艦名が第2231号艦でしたが、1944年11月5日、正式に第百十一号哨戒特務艇と命名され、第一号型哨戒特務艇の44番艇となることが決定しました。造船所は呉鎮守府に本籍を置く形で設計が進められました。

進水とその後の状況

1945年6月12日には、西井造船所において進水が行われました。その後、船体は同造船所で繋留され、艤装品の取り付けが待たれましたが、終戦を迎えたことにより、艦艇の運命は大きく変わることとなります。1945年8月17日には工事中止の指令が発令され、実質的に本艇は未成のまま停滞することとなりました。

終戦後の扱いと解体

戦後の混乱の中で、第百十一号哨戒特務艇は引き続き西井造船所に繋留されていました。しかし、その後、艤装品の損傷による浸水が発生し、艦艇は坐洲状態となりました。1947年2月1日には行動不能艦艇（特）に指定され、さらに同年11月22日には、在東京のアメリカ極東海軍司令部から日本側に対して解体の指令が出されました。

脚注及び関連文献

本艇に関する詳細な情報は、以下の文献に記載されています：

• - 海軍省、復員庁の記録
• - 昭和19年11月5日付の達第363号及び内令関連文書
• - アメリカ軍の解体指令文書
• - 各種艦艇史に関する資料

引き継がれた体制の中で、第二復員局による艦艇の扱いに関しても言及があり、艦艇の管理と解体が進められました。特に、解撤が必要とされる艦艇リストに本砲艇も含まれ、多くの艦艇とともに運命を共にすることになったのです。

このように、戦時の艦艇の運用や、戦後の整理は多くの観点から成り立っており、特務艇の歴史が持つ独自の側面が浮かび上がります。

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