第百十二号型駆潜特務艇

第百十二号型駆潜特務艇について

第百十二号型駆潜特務艇は、日本海軍が運用した駆潜特務艇で、その起源は旧オランダ海軍の沿岸用掃海艇に遡ります。この艦艇は、太平洋戦争の勃発時にオランダ海軍が使っていた掃海艇の中で最も古い型であり、1929年から翌年にかけて進水しました。エンジンにはレシプロ機関が搭載されていました。

歴史的背景

日本のジャワ島侵攻の際、オランダ海軍の掃海艇4隻—A、B、C、D—は、戦闘によって沈没したり自沈したりしましたが、3隻（B、C、Dを除く）は整備されて日本海軍に編入されました。整備後、これらの艦艇は各地の根拠地隊に配備されましたが、最終的には3隻とも戦没する運命にありました。

同型艇の詳細

第112号

旧オランダ沿岸用掃海艇B（Hr. Ms. B）として知られるこの艦艇は、1930年8月4日に竣工しました。1942年3月1日にスラバヤで被爆し、その後沈没しましたが、捕獲され整備が行われて1942年12月20日に艦籍に編入されました。しかし、1945年6月4日に再び爆撃を受け、ジャワ海で沈没しました。

第113号

旧オランダ沿岸用掃海艇A（Hr. Ms. A）として運用された第113号も、同じく1930年8月4日に竣工しました。1942年3月1日にスラバヤで被爆し沈没、その後捕獲され整備が施された後、1943年1月17日に艦籍に編入されました。1945年6月23日付で、アメリカ海軍潜水艦「ハードヘッド」の雷撃を受けてジャワ海で沈没しました。

第116号

第116号は旧オランダ沿岸用掃海艇C（Hr. Ms. C）で、こちらも1930年8月4日に竣工しました。この艦艇は1942年3月6日にスラバヤで自沈し、その後捕獲から整備を経て、1943年4月8日に艦籍に編入されました。最終的には1944年11月13日にルソン島のキャビテ西方でアメリカ海軍の空母艦載機の攻撃を受けて沈没しました。

結論

第百十二号型駆潜特務艇は、日本海軍の艦艇の中でも特異な存在であり、その歴史は戦争の進行とともに変遷を遂げました。運用された艦艇は短い期間で次々に沈んでいったものの、当時の戦争の激しさを物語っています。

この艦艇群については、海人社発行の「世界の艦船 増刊第45集 日本海軍護衛艦艇史」に詳しい情報があります。また、大日本帝国海軍艦艇一覧においてもその姿を確認することができます。

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