第1機甲師団 (アメリカ軍)

第1機甲師団の概要

第1機甲師団（U.S. Army 1st Armored Division）は、アメリカ陸軍の重要な師団の一つであり、機甲戦力を中心に構成されています。この師団は1932年に設立された実験的な機甲部隊を源流とし、アメリカ陸軍における機甲部隊の礎を築く役割を果たしました。

設立と初陣

第1機甲師団は、元々は騎兵部隊を基にして組織され、1930年代に様々な機械化部隊が強化され、1940年には第7騎兵旅団が改編されることで、正式に第1機甲師団が成立しました。この師団は、第二次世界大戦中のトーチ作戦において初めて実戦投入され、その後も戦場で数々の成果を上げました。1943年や1946年には、イタリア戦線や他の地域でも活動を展開しましたが、一時は廃止に至ることもありました。

再編成と戦争への参加

1951年、朝鮮戦争の発生に伴い第1機甲師団は再構成されました。1971年にはドイツに駐留し、1990年には湾岸戦争のためにサウジアラビアに派遣され、91年の戦闘にも参加しました。その後もボスニアでの平和維持活動やイラク戦争にも部隊を派遣し、アメリカ陸軍の機甲部隊として幅広い任務を遂行してきました。

現在の編制

現在、第1機甲師団はテキサス州フォート・ブリスでモジュラーフォース改編を受け、旅団本位の編制で構成されています。具体的には、師団司令部を含む各種部隊とともに、三つの機甲旅団戦闘団、戦闘航空旅団、維持旅団、砲兵隊が編成されています。また、野戦砲兵隊はそれぞれの旅団戦闘団に割り当てられる形で運用されています。

主な構成部隊

1. 師団司令部および司令部大隊
- グラディエイター部隊
- 各種支援中隊や通信中隊

2. 機甲旅団戦闘団
- 第1機甲旅団戦闘団（Ready First）
- 主に騎兵連隊、機甲連隊、歩兵連隊の大隊で構成
- 第2機甲旅団戦闘団（Iron Brigade）
- 機甲と歩兵の各大隊が含まれる
- 第3機甲旅団戦闘団（Bulldog Brigade）
- 機甲連隊、歩兵連隊を含む部隊

3. 砲兵隊
- Iron Steel（旧第212砲兵旅団）

4. 戦闘航空旅団（Iron Eagle）
- 重突撃・偵察や突撃支援のための部隊が含まれる

5. 維持旅団（Muleskinner）
- 特別任務や戦闘維持支援を行う部隊

現士団長

現在の団長はパトリック・E・マットロック少将で、他にも数名の将軍が部隊の指導にあたっています。

結論

第1機甲師団は、その歴史とともに数多くの重要な戦争に参加し、常にアメリカ陸軍の核心をなす存在として進化してきました。今日でもその役割は重要であり、未来の任務にも対応するために新たな編制と訓練が行われています。

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