第1次シュミット内閣

第1次シュミット内閣

第1次シュミット内閣は、ヘルムート・シュミットがドイツ連邦共和国（西ドイツ）の連邦首相に選出された1974年5月16日に発足し、1976年12月14日まで続いた内閣です。

成立の背景

当時の西ドイツは、オイルショックの影響や、ギュンター・ギョームによるギョーム事件など、様々な政治的、経済的な課題に直面していました。そのような状況下で、それまで首相を務めていたヴィリー・ブラントが、自身の政権スタッフであったギョームが東ドイツのスパイであった責任を取り辞任。その後を受けて、ヘルムート・シュミットが首相に選出され、第1次シュミット内閣が成立しました。

内閣の構成

第1次シュミット内閣は、社会民主党（SPD）と自由民主党（FDP）の連立政権でした。主要な閣僚は以下の通りです。

連邦首相：ヘルムート・シュミット（SPD）
外務大臣：ハンス＝ディートリヒ・ゲンシャー（FDP）
内務大臣：ヴェルナー・マイホーファー（SPD）
財務大臣：ハンス・アペル（SPD）
経済大臣：ハンス・フリデリクス（FDP）
法務大臣：ゲルハルト・ヤーン（SPD）
* 国防大臣：ゲオルク・レーバー（SPD）

主な政策

第1次シュミット内閣は、経済の安定化と社会福祉の維持を重視した政策を実施しました。オイルショック後のインフレ対策として、財政政策や金融政策を駆使し、経済の安定化に努めました。また、社会福祉政策においては、年金制度の改革や医療制度の拡充などを進めました。さらに、テロ対策にも力を入れ、ドイツ赤軍（RAF）によるテロ事件に対処しました。

内閣の終焉

第1次シュミット内閣は、1976年10月3日の連邦議会選挙を経て、その役割を終えました。選挙の結果、SPDとFDPの連立はかろうじて過半数を維持し、ヘルムート・シュミットは引き続き首相を務めることになりました。しかし、その後も経済状況は好転せず、社会民主党と自由民主党の政策の違いが顕在化し、連立政権は次第に不安定化していきます。そして1976年12月14日に第2次シュミット内閣が発足しました。

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