第1次ジャン＝マルク・エロー内閣

第1次ジャン＝マルク・エロー内閣：概要と詳細

第1次ジャン＝マルク・エロー内閣は、2012年5月15日から同年6月18日まで続いたフランスの内閣です。社会党のフランソワ・オランドが大統領に就任したことに伴い、ジャン＝マルク・エローが首相に任命され成立しました。

内閣成立の背景

2012年5月6日の大統領選挙で、社会党のフランソワ・オランドがニコラ・サルコジを破り当選。これにより、フィヨン内閣が総辞職し、オランド大統領がエローを首相に任命、新内閣が発足しました。社会党内閣としては、ジョスパン内閣以来10年ぶりの誕生となりました。

初閣議と重要事項

5月17日に開催された初閣議では、以下の点が決定されました。

大統領および全閣僚の給与30%削減
閣僚の兼職禁止を明記した「倫理憲章」への署名
* あらゆる利害対立に対する閣僚の関与禁止

これらの決定は、オランド大統領の選挙公約を反映したものであり、内閣の透明性と公平性を重視する姿勢を示しました。

国民議会選挙と内閣の終焉

2012年6月には国民議会選挙が実施され、エロー内閣からは25人の閣僚が出馬しました。エロー首相は、落選した閣僚には辞任を求めると明言していました。選挙の結果、社会党を中心とする左派勢力が勝利し、エロー首相を含む全閣僚が当選を果たしました。

しかし、選挙後の6月18日、第1次エロー内閣は慣例に従い総辞職。同日、オランド大統領はエローを再び首相に任命し、第2次エロー内閣が成立しました。

閣僚構成の特徴

第1次エロー内閣は、エロー首相に加え、18人の大臣と16人の担当大臣で構成されていました。特徴的なのは、閣僚の男女比率がほぼ同数であった点です。大臣と担当大臣それぞれで半数が女性であり、これはオランド大統領の公約を実現したもので、フランスの内閣としては初の試みでした。ただし、主要ポストには男性が多かったという指摘もあります。

また、閣僚の所属政党は社会党が中心でしたが、大統領選挙でオランドを支持した左翼急進党やヨーロッパ・エコロジー・緑の党からも入閣者が出ています。

閣僚の出身分野は多岐にわたり、国民議会議員、元老院議員、欧州議会議員、地域圏議会議員、県議会議員、パリ議会議員、市議会議員などが含まれていました。

閣僚経験者

35人の閣僚のうち、過去に閣僚経験を持つ者は5人でした。ローラン・ファビウス（元首相、元経済・財務・産業大臣）、ピエール・モスコヴィシ（元ヨーロッパ問題担当大臣）、ミシェル・サパン（元経済・財務大臣、元公務員・国家改革大臣）などがその代表です。

閣僚の年齢構成

組閣時点での閣僚の平均年齢は52歳でした。大臣の平均年齢は54歳、担当大臣は50歳。最年長はローラン・ファビウスとミシェル・ドロネの65歳、最年少はナジャット・ヴァロー＝ベルカセムとシルヴィア・ピネルの34歳でした。

第1次エロー内閣は短期間で終わりましたが、フランス政治における男女同権の推進や、左派勢力の結集という点で、一定の意義を持つ内閣であったと言えるでしょう。

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