第1次桂内閣

第1次桂内閣の概要

第1次桂内閣は陸軍大将の桂太郎が総理大臣に任命され、1901年6月2日から1906年1月7日までの約5年半にわたって存在した日本の内閣です。この内閣は、日本の憲政史上最も長い在任期間を誇る内閣としても知られています。桂は藩閥政府の主宰の座を山縣有朋から引き継ぎ、また元老である伊藤博文から立憲政友会の盟主である西園寺公望に権限が移行するなど、政界における重要な変革を体現しました。このような背景から、1901年から1913年の期間は「桂園時代」として記憶されています。

内閣の人事

1901年6月2日付で、桂太郎が首相に就任し、その内閣の主要メンバーも一新されました。内閣書記官長や法制局長官などの重要なポジションも同日任命され、内閣の体制は整ったものの、その実力や方針については様々な課題を抱えていました。特に軍や藩閥の影響が強い政治環境下において、桂の力量が問われることになりました。

政治的背景と内閣の動き

前内閣は、第4次伊藤内閣で、議院内閣制の実現を目指しましたが、藩閥と政友会の対立から短命に終わりました。その後、元老たちの思惑が反映され、桂が内閣を率いる形になりましたが、初期には「小山縣内閣」と揶揄されるほど、山縣の影響が強かったことも影響を与えました。さらに、内閣の与党は帝国党のみで、他の主要政党は野党と化しており、厳しい政局が予想されました。

桂内閣が取り組んだ重要課題には、海軍の強化や、韓国の保護国化、さらには商工業の発展などがありました。また、時期的に英国との関係も重要視され、日英協定の締結が進められました。こうした外交上の動きは、国際情勢の変化に大きく影響を受けました。

日露戦争の勃発

1904年に入る頃、ロシアは満州からの撤兵協約を無視し、朝鮮半島への軍の増派を始めました。桂内閣は、この対立を解決すべく日露交渉を進めていましたが、交渉はすぐに行き詰まり、最終的に開戦に至ります。1904年2月8日、日本は旅順口における攻撃を行い、正式に日露戦争を宣言しました。

日本は当初から先手を打ち、数々の戦果を挙げていくものの、戦争が長引く中で国民生活にも影響が出始めます。その結果として、桂内閣は増税を行わざるを得なくなり、政友会との調整にも苦慮します。結果的に、政府への批判が高まる中で国民の不満を抑え込むための政治的駆け引きなども展開されました。

結末と後の展開

さらに日露戦争の終結に向けて、桂と政友会との暗黙の協力関係が強まり、最終的にはポーツマス条約が1905年8月に締結されることになります。この講和条件については世論からの不満も多く、また日比谷焼き討ち事件などの暴動を招く結果となりました。

その後、桂内閣は使命を完了したかのように疲弊し、1906年に総辞職しました。そして次代には、西園寺公望が内閣を引き継ぐこととなります。桂内閣は、短命だった他の内閣に比べ、数々の政策を通じて日本の政治体系にも多くの影響を与えました。

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