第1次沖縄抗争

第一次沖縄抗争

第一次沖縄抗争は、1961年から1962年にかけてアメリカ統治下の沖縄県で発生した、「那覇派」と「コザ派」という二つの暴力団組織間の大規模な抗争事件です。

抗争の背景

1952年の両組織結成当初、那覇派とコザ派は地理的に距離があり、目立ったトラブルもなく、定期的に親睦会を開くなど比較的良好な関係を築いていました。しかし、それぞれの組織が勢力を拡大していくにつれて、両者の縄張りが徐々に接近し、緊張が高まっていきました。

特に、コザ派が那覇派の本拠地である那覇市に進出を試みたという情報が流れると、両者の関係は一気に悪化しました。互いの縄張りを侵食する動きに対し、両組織は強い警戒感を抱き、対立の火種がくすぶり始めました。

抗争の勃発

1961年9月9日、那覇派の首領であった又吉世喜が、コザ派の幹部に呼び出され、集団で暴行を受けるという事件が発生しました。又吉は瀕死の重傷を負いましたが、奇跡的に一命を取り留めました。この事件をきっかけに、那覇派の組員たちは激高し、コザ派に対する報復を誓い、両組織間の抗争が本格的に始まりました。

抗争の激化

コザ派は、報復を恐れて再び又吉の命を狙う計画を立てました。本土から殺し屋を雇い、1962年11月13日に又吉を狙撃しました。又吉は再び瀕死の重傷を負いましたが、またしても生還を果たしました。二度にわたる死の淵からの生還劇から、又吉は「不死身の男」という異名を持つようになりました。

この事件以降、両組織の抗争はさらに激化し、銃撃戦や切りつけ事件が頻発し、一般市民をも巻き込む事態となりました。沖縄の社会は混乱と恐怖に包まれました。

抗争の終結

事態を重く見た琉球警察は、両組織の壊滅を目指し、大規模な捜査を開始しました。その結果、両組織の組員ら100人以上が大量に検挙され、組織は弱体化しました。これにより、両組織間の抗争は沈静化に向かい、終結を迎えました。

抗争の影響

第一次沖縄抗争は、当時の沖縄社会に大きな影響を与えました。暴力団組織の存在が社会問題として認識され、警察による取り締まりが強化されるきっかけとなりました。また、県民の間には、暴力団に対する嫌悪感と不安感が広がり、その後の暴力団対策に繋がっていきました。

参考文献

沖縄県警察史編さん委員会編『沖縄県警察史 第3巻（昭和後編）』2002年
洋泉社編『沖縄ヤクザ50年戦争』ISBN 4896918282

関連項目

沖縄県の暴力団
抗争事件
* 琉球警察

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