第1歩兵師団 (韓国陸軍)

韓国陸軍第1歩兵師団：朝鮮戦争とその後

韓国陸軍第1歩兵師団は、韓国軍を代表する精鋭師団の一つです。1947年12月1日の第1旅団創設を起源とし、1949年5月、ソウル近郊で正式に編成されました。当初は水原、郡山、温陽で編成された3個連隊を基幹としており、野戦工兵大隊と砲兵大隊が配属されるなど、当時韓国軍において最高の装備と訓練水準を誇る師団でした。

朝鮮戦争での活躍

1950年6月25日、朝鮮戦争勃発。第1歩兵師団は北朝鮮軍の侵攻を阻止するため、激戦を繰り広げました。臨津江線での防御の後、ソウル陥落に伴い漢江北岸に孤立。師団は危険を冒して漢江を渡河し、大きな損害を被りながらも撤退に成功しました。

その後、第1歩兵師団は平沢、鳥致院、清州、曾坪と後退しながら再編成。兵力を増強し、陰城、槐山、米院道、化寧場などで北朝鮮軍の攻撃を幾度となく撃退しました。釜山周辺に後退後は、アメリカ軍と協力して多富洞の戦いで北朝鮮軍を撃退。仁川上陸作戦後の反攻作戦では、平壌攻略戦にいち早く参加し、北朝鮮軍の退路を断つなど、大きな戦果を挙げました。

しかし、平壌占領後、中国人民志願軍の参戦により、雲山で激しい戦闘に巻き込まれます。中共軍に包囲されながらも、円形陣地を構築して防戦を続け、アメリカ第1軍団の右翼を守り抜きました。クリスマス攻勢、平壌撤退など、朝鮮戦争終結まで幾多の激戦を戦い抜きました。そして、1951年1月下旬には北進を開始し、ソウル奪還に大きく貢献しました。1951年4月には中共軍の攻勢を受けますが、これを撃退。同年、イギリス軍の救出作戦にも参加しました。休戦後も、対間諜作戦やトンネル発見など、重要な役割を果たしています。

編制と部隊マーク

第1歩兵師団は、第11連隊（肉弾部隊）、第12連隊（双竜部隊）、第15連隊（無敵ナイフ部隊）など複数の連隊、砲兵連隊から構成されます。部隊マークは、国家の礎石としての役割、団結と忠誠心、国民の平和愛護心、永遠無窮な国家などを象徴するデザインで、1950年10月3日に制定されました。部隊愛称の「前進」は、1950年10月19日の平壌入城を記念して李承晩大統領から贈られたものです。

肉弾十勇士と部隊の伝統

1949年松岳山奪還の際に、砲弾を抱えて突撃し戦死した10名の将兵は「肉弾十勇士」として知られ、彼らの勇気と献身は師団の伝統として受け継がれています。現在も、最優秀副士官に「肉弾十勇士賞」が授与されています。

近年の出来事

近年では、2012年の坡州銃器死亡事件など、いくつかの事件も発生しています。

まとめ

韓国陸軍第1歩兵師団は、朝鮮戦争において数々の激戦を戦い抜き、韓国の自由と独立を守るために多大なる貢献を果たした、韓国を代表する精鋭師団です。その歴史と伝統は、現代においても韓国軍の礎として、そして未来への希望として受け継がれています。 数々の功績と犠牲の上に成り立っている第1歩兵師団の歴史は、未来への教訓と指針を与え続けています。その歴史と伝統は、未来の世代に引き継がれ、韓国の安全保障に貢献し続けるでしょう。 厳しい訓練と高い士気、そして深い歴史的背景を持つ第1歩兵師団の今後の活躍に期待がかかります。

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