第1親衛戦車軍 (ロシア陸軍)

第1親衛戦車軍の概要

第1親衛戦車軍（だい1しんえいせんしゃぐん）は、ロシア陸軍に所属し、モスクワ軍管区に属する重要な軍である。この軍は、作戦・戦略司令部（OSK）の下で運用され、戦闘任務において多くの功績を挙げてきた。以下に、その歴史と主な活動を詳述する。

大祖国戦争における役割

1943年1月30日、最高司令部の指令に基づき第1戦車軍が設立された。この時、指揮官にはミハイル・カトゥコフ将軍が任命され、彼の指導のもと、同軍は数多くの戦闘で活躍した。第1親衛戦車旅団は、赤軍の模範的存在として認識されており、特にグジャツク、シチョフカ、カルマノボの戦闘で重要な役割を果たした。

1944年には、戦局の進展に伴い「第1親衛戦車軍」と名を改め、ドイツ軍との戦闘を続けた。この年には、リヴォフ＝サンドミール作戦やヴィスワ＝オーデル攻勢にも参加し、その後も東プロイセン攻勢やベルリンの戦いに関与した。これらの活動を通じて、ソビエト連邦の54都市、ポーランドの72都市、ドイツの25都市の解放に寄与した。

軍への評価と功績

第1親衛戦車軍は、その勇気と戦闘能力により、127の勲章を受け、8万人以上の兵士が表彰された。その中には117人がソ連邦英雄の称号を得ている。戦闘の成果としては、破壊・鹵獲された戦車や武器、航空機の数は非常に多く、戦術的成功が示されている。特に注目すべきは、戦車5,500両、自走砲491門、航空機1,161機という数値で、これらは軍の高い作戦能力を示している。

冷戦期とソ連崩壊後の変遷

第二次世界大戦の終結後、第1親衛戦車軍はドイツ民主共和国に駐留し、西部軍集団の一部として冷戦期を迎えた。ここでの任務には、1968年のドナウ作戦への参加が含まれ、さらに1986年にはチェルノブイリ原子力発電所の事故処理にも関与した。1990年代に入ると、スモレンスク地域に転換され、第一次チェチェン紛争にも参加したが、1999年に解体されることとなった。

再編成と現在の体制

第1親衛戦車軍は、2014年11月13日にロシア連邦大統領の命令に基づいて再編成された。この再編成は、一般には知られず、2015年にその存在が確認された。部隊の指揮官には、かつて第20親衛諸兵科連合軍を指揮していたアレクサンドル・チャイコが任命された。

現在の構成（2021年時点）

• - 軍司令部
• - 第4親衛戦車師団
• - 第47戦車師団
• - 第2親衛自動車化狙撃師団
• - 第27独立親衛自動車化狙撃旅団
• - 第288砲兵旅団
• - 第288親衛ミサイル旅団
• - 第49対空ミサイル旅団
• - 第60統制旅団
• - 第96独立偵察旅団
• - 第6工兵連隊
• - 第20放射線・化学・生物防護連隊
• - 第231独立爆発物処理大隊
• - 第231独立通信大隊（オスナズ）

まとめ

第1親衛戦車軍は、ソ連軍の歴史の中で重要な役割を果たし、多くの戦闘での成功を収めてきた。また、時代の変遷とともにその姿を変えながらも、現在もなおロシア軍の中核をなす存在として活動を続けている。

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