第10回明治神宮国民体育大会

第10回明治神宮国民体育大会

第10回明治神宮国民体育大会は、1939年から翌年にかけて明治神宮外苑競技場を主会場として実施されました。この大会は、国家総力戦体制を強化するため、主催団体が明治神宮体育会から厚生省に変更されたことを受けて新たに名付けられた「明治神宮国民体育大会」となったことが大きな特徴です。

大会の前に行われた聖恩の旗引継ぎ式は、1939年7月18日に開催され、明治神宮体育会は解散しました。これに伴い、国防競技が新たに採用され、軍事教練的な要素が大会に加えられました。この時期、各地方での地方大会もあわせて行われ、全国から多くの選手が集まりました。

開催期間と会場

大会は夏季と秋季に分かれて行われ、各種目ごとに異なる会場で開催されました。

夏季大会

• - 水上競技: 明治神宮外苑水泳場
• - ヨット: 横浜仮ヨットハーバー

秋季大会

• - 剣道: 日本青年館、青山小学校
• - 銃剣道: 日本青年館、陸軍戸山学校
• - 柔道: 講道館
• - 弓道: 明治神宮内苑仮弓道場
• - 相撲: 明治神宮外苑相撲場
• - 国防競技: 陸軍戸山学校、明治神宮外苑競技場
• - 集団体操: 明治神宮外苑競技場
• - 陸上競技: 明治神宮外苑競技場、第一高等学校駒場運動場
• - 送球（ハンドボール）: 明治神宮外苑競技場
• - 蹴球（サッカー）: 明治神宮外苑競技場、東京帝国大学運動場、新丸子運動場
• - ラグビー: 明治神宮外苑競技場
• - 野球: 明治神宮野球場
• - 排球（バレーボール）: 明治神宮外苑競技場、旧芝離宮恩賜庭園排球場
• - 籠球（バスケットボール）: 国民体育館、明治神宮外苑競技場
• - 漕艇: 尾久漕艇場
• - 庭球（テニス）:

- 硬式庭球: 田園倶楽部庭球場
- 軟式庭球（ソフトテニス）: 日比谷公園庭球コート、御茶ノ水庭球場

• - ホッケー: 明治神宮外苑競技場、月島新公園運動場
• - 馬術: 陸軍予科士官学校
• - 射撃: 陸軍大久保射撃場
• - 体操競技: 陸軍戸山学校、国民体育館
• - 重量挙げ: 昭和小学校
• - 卓球: 麻布小学校
• - 自転車競技: 氷川公園競技場、明治神宮外苑競技場、代々木練兵場、鎌倉八幡宮・片瀬・大磯・小田原間往復湘南道路

冬季大会

• - スケート: 長野県上諏訪町 蓼ノ海スケート場
• - スキー: 新潟県 高田スキー場、妙高スキー場

参考文献

• - 厚生省編 『明治神宮国民体育大会報告書 第10回』 厚生省、1940年
• - 朝日新聞社編 『運動年鑑 第25巻（昭和15年）』 日本図書センター、2001年
• - 入江克巳 『昭和スポーツ史論 -明治神宮競技大会と国民精神総動員運動-』 不昧堂出版、1991年
• - 吉見俊哉他 『運動会と日本近代 -青弓社ライブラリー 6-』 青弓社、1999年

この大会は、国民体育大会としての意義を持つだけでなく、自国の体育を通じて国民の結束を図る重要な機会となりました。

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