第10山岳師団 (アメリカ軍)

第10山岳師団

第10山岳師団（10th Mountain Division）は、アメリカ陸軍において山岳戦及び雪中戦に特化した部隊です。この師団は第18空挺軍団の一部として機能しており、ニューヨーク州のフォート・ドラムを本拠地としています。

特徴

その名の通り、主に山岳戦を専門とし、特に冬季の戦闘に向けた特訓を行っています。アメリカ陸軍の常備師団の中で、山岳戦に特化した唯一の部隊であり、軽歩兵部隊の編成を基にしつつ、戦車等の重装備は少なく、機動性の高い戦術を得意としています。空挺降下やヘリコプターを使用した戦術に適していますので、緊急事態が発生したときは、迅速に部署される可能性が高いです。他の空挺師団と共に、最前線での対応が期待されています。

歴史

この部隊は第一次世界大戦中にその原型となる第10歩兵師団が編成されましたが、現在の形とはほとんど関連がありません。山岳戦や雪中戦に注目が集まったのは、1939年から1940年にかけての冬戦争において、フィンランドがソ連軍をことごとく翻弄したことが大きなきっかけです。この出来事を受けて、全米スキーパトロール協会の創設者チャールズ・マイノット・ドールがアメリカ陸軍に対し、特化した部隊の設立を呼び掛けました。

その結果、1941年12月8日に第87山岳歩兵大隊が誕生し、後に第87歩兵連隊へと拡大されました。この連隊は既存の軍人に加え、大学などから山岳戦に精通した人材を積極的に採用する事で構成されました。

1943年7月10日、初代の師団長ロイド・E・ジョーンズ准将の指揮のもと、第10軽師団として編成され、3個の歩兵連隊を基盤としていました。特筆すべきは、砲兵大隊が通常よりも少ない点で、冬季に最適化された装備を整備し、特別な輸送車両も用意されました。1944年11月6日には正式に第10山岳師団として組織され、イタリア戦線に展開しました。戦後、陸軍が縮小される中でこの師団も解体されましたが、1985年には再編成され、現在もアメリカ陸軍の一翼を担っています。

編制

第10山岳師団は、師団司令部及び司令部大隊、3個の歩兵旅団戦闘団、師団砲兵隊、戦闘航空旅団、維持旅団で構成されています。これにより、迅速な対応と高い機動力を維持し続けています。

歩兵旅団の構成

• - **第1歩兵旅団戦闘団

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