第100回天皇賞

第100回天皇賞

1989年10月29日、東京競馬場にて開催された第100回天皇賞は、競馬史に残る名勝負として多くのファンに記憶されています。このレースでは、後に「平成三強」と称される3頭、オグリキャップ、スーパークリーク、イナリワンが初めて揃って対戦しました。結果的にスーパークリークが自らの実力を証明し、見事優勝を果たしました。

レース前の状況

1989年の競馬シーズン上半期は、オグリキャップとスーパークリークが故障により出場を果たせない状況でした。その間、イナリワンは天皇賞（春）と宝塚記念を連続して勝ち取るなど、素晴らしい成績を収めました。しかし、下半期に入ってから2頭が復調し、スーパークリークは京都大賞典、オグリキャップはオールカマーでそれぞれ優勝を果たしました。特に、オグリキャップは第40回毎日王冠でイナリワンと死闘を繰り広げ、見応えのあるレースを展開しました。このような背景から、第100回天皇賞への期待が高まることとなりました。

レースの展開

レース当日の天候は晴れ、芝は良好なコンディションでした。出走馬は合計14頭。序盤、レジェンドテイオーが果敢に逃げを打ち、スーパークリークは3番手、オグリキャップは7番手、イナリワンは後方に控える展開となりました。

直線に入ると、メジロアルダンがレジェンドテイオーを交わし、先頭に立ちました。しかし、残り200mのところでスーパークリークがその位置を追い抜き、そのままゴールへと駆け抜けました。オグリキャップは直線での進路を確保できず、2着に終わる結果となりました。

レース結果

1位: スーパークリーク
2位: オグリキャップ
3位: メジロアルダン
4位: イナリワン
5位: レジェンドテイオー

ラップタイム

• - 12.8-11.6-11.7-12.2-12.3-11.9-11.8-11.8-11.6-11.4
• - 12.8-24.4-36.1-48.3-60.6-72.5-84.3-96.1-107.7-119.1

エピソードと記録

当時、東京競馬場芝2000mでは「大外枠は不利」と言われていましたが、スーパークリークはその不利をものともせず、スムーズに先行することに成功しました。騎乗した武豊騎手は、「120%の騎乗ができた」という満足感を示しました。また、管理していた調教師の伊藤正己は、彼の騎乗を「目を見張るものがあった」と称賛しました。

一方、オグリキャップに騎乗していた南井克巳は、直線での進路不確保について、「あれは悔いが残る」とコメントし、レース当日の夜は悔しさから眠れなかったというエピソードがあります。

さらに、スーパークリークの父であるノーアテンションと、オグリキャップの父ダンシングキャップは、いずれも日本の競走馬生産者である稗田実により輸入された名馬でした。この勝利により、武豊は天皇賞（秋）を史上最年少で制覇することとなり、その記録は20歳7ヶ月となりました。これは1970年に池上昌弘が記録した従来の記録23歳1ヶ月を大きく上回るものでした。

第100回天皇賞は、歴史的なレースとして語り継がれ、今なお多くの競馬ファンの心に深く刻まれています。

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