第101SS重戦車大隊

第101SS重戦車大隊の歴史

概要

第101SS重戦車大隊（Schwere SS-Panzer-Abteilung 101）は、武装親衛隊のSS第1装甲師団に属する重戦車部隊であり、主としてティーガーI重戦車を使用して戦闘に従事しました。この大隊は1943年に編成され、その後の戦闘において重要な役割を果たしました。特にノルマンディー上陸作戦後のヴィレル・ボカージュの戦いでは、連合軍に対して圧倒的な戦果を挙げたことが際立っています。

編成と活動

1943年7月19日に、2つの中隊を持つ重戦車大隊の編成が指示され、パーダーボルンに司令部が設置されました。大隊は後に第3中隊を追加し、合計3中隊となりました。この大隊へのティーガーI戦車の配備は1943年8月の間に27両が行われたとされています。

連合軍によるシチリア島上陸を受けて、8月には第1SS装甲擲弾兵師団（LSSAH）がイタリアに派遣され、大隊もまたこの部隊のもとで任務を行いました。イタリアにおいては、10月までLSSAHとともに滞在し、その後再び東部戦線へと戻ることとなりました。東部戦線での戦闘でもLSSAHと協力しながら、様々な戦闘に参加しました。

ノルマンディー戦

1944年6月6日に連合軍がノルマンディーに上陸した後、大隊は同月末まで前線にとどまり、特にヴィレル・ボカージュにおいて連合軍戦車を抑え込みました。この戦闘における第2中隊長ミハエル・ヴィットマンの指揮は特筆に値しますが、7月にはティーガーII戦車への再装備のため戦線から撤収しました。その後、8月には撤退戦に伴いティーガーI戦車を全て失いました。

その後の展開

1944年8月中旬、大隊はフランスに戻り、新たに14両のティーガーIIが配備されました。これらの戦車は翌月には実戦に投入され、LSSAHと協力しながら戦いました。しかし、8月末までには第2・第3中隊の戦車が破壊される事態となり、第1中隊は僅かに生き残った戦車の救出に務めました。

9月9日には、残存部隊は再編成を命じられ、ティーガーII戦車の再装備が続けられました。10月にはさらに34両のティーガーIIが追加され、大隊は西部戦線に向けての移動を開始しました。

戦争の終息

1945年2月には春の目覚め作戦に参加し、その後は南方軍集団の指揮下に置かれましたが、継続する戦闘の中で多くの戦車を失う結果となりました。最終的に4月にはほとんどのティーガーIIを放棄する事態に至り、5月にはヤークトティーガーが2両配備されましたが、全てが連続した技術的問題を抱え、戦闘に直接的な影響を与えることはありませんでした。

結論

第101SS重戦車大隊は、重戦車による直接的な地上戦力としての存在意義を持ち、数多くの戦闘に参加しました。その運用は主にティーガーI戦車から始まり、後にティーガーIIに移行するも、戦局の変動により多くの困難に直面しました。その歴史は、武装親衛隊の重戦車部隊としての重要な役割を物語っています。

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