第10SS装甲師団

第10SS装甲師団『フルンツベルク』

第10SS装甲師団『フルンツベルク』は、武装親衛隊に属する師団であり、1943年初頭に連合国軍の侵攻に備える目的で設立されました。しかし、実際の戦闘は1944年4月にウクライナでの初陣を迎え、西部戦線にも展開。最終的にはベルリン南西部のラウジッツで戦争を終えることになりました。この師団名は15世紀のドイツの英雄、ゲオルク・フォン・フルンツベルクに由来しています。

設立背景と編成

1943年、連合国の戦局に対抗するため、SS長官ハインリヒ・ヒムラーは新たな武装SS師団の設立を命じました。これに伴い、1943年2月1日にベルリンで「第10SS装甲擲弾兵師団」として編成が始まりました。この際、師団は北フランスのボルドー地域に配備され、カール・デア・グロッセという名誉ある称号を授かりました。ただし、装甲部隊の整備は遅れており、戦闘力には限界がありました。特に第1大隊は1944年末までに必要な車両が不足し、鹵獲した赤軍の装備を使う場面も見受けられました。

軍事活動

1943年7月にはビアリッツ周辺に移動し、その後マルセイユ北部に展開して訓練を重ねました。10月には師団名が『フルンツベルク』に変更され、装甲部隊としての再編が進められました。1944年の初め、師団は東部戦線へと移動し、激しい戦闘を経てようやく第ⅠSS装甲軍団の救援に成功しましたが、大きな損害も被りました。

また、1944年6月6日に始まった連合軍のノルマンディー上陸作戦では、師団は急遽フランスへ移動し、ドイツ軍の反攻作戦に参加しました。しかし、カーン地区での防衛戦では大きな損失を被り撤退する羽目になりました。以降、オランダのアーネム近郊にて再編成が行われ、マーケット・ガーデン作戦中に再び戦闘に参加しました。

戦局の変化と降伏

1945年になると、戦局はさらに厳しさを増し、師団は東部戦線へと戻され、ベルリン防衛の一翼を担うことになりました。ハルベの戦いでは赤軍に包囲され、最終的にはチェコスロバキアに撤退し、米軍に降伏する運命をたどりました。この師団は第二次世界大戦を通じて精鋭部隊の一つとされ、歴史に名を刻むこととなったのです。

歴代師団長

この師団には数人の指揮官がいました。最初はミヒャエル・リッペルトSS大佐、次にロタール・デベスSS少将、さらにカール・フォン・フィッシャー＝トロイエンフェルトSS中将が指揮し、その後はハインツ・ハルメルSS少将、最後にフランツ・ローステルSS中佐が指揮を執りました。

戦闘序列

第10SS装甲師団は、様々な部隊編成を持ち、その中には装甲連隊や擲弾兵連隊、さらには補助的な部隊も存在しました。また、各部隊は装備や任務に応じて構成されており、部隊全体の戦闘力と柔軟性を保持していました。

結論

第10SS装甲師団『フルンツベルク』は、設立から終戦まで激動の歴史を持ち、歴史の中での役割を果たしました。多くの戦闘と困難を経験しながら、その名は戦争の象徴となりました。

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