第11回JBCクラシック

第11回JBCクラシック

2011年11月3日、大井競馬場で開催された第11回JBCクラシックは、競馬ファンにとって特別な意味を持つレースとなりました。このレースは、地方競馬の頂点を決める戦いとして、ダート最強馬に君臨するトランセンドとスマートファルコンの一騎打ちが繰り広げられることが期待されていました。

レースの背景と出走馬

JBC（ジャパンブリーディングクラシック）は毎年、地方競馬の各地を巡回して行われる重要なイベントで、2011年は大井競馬場がその舞台に選ばれました。さらに、同日は牝馬限定のレディスクラシックとスプリントが行われ、いずれもコースレコードを更新。これにより、クラシックレースへの期待が高まりました。

出走馬は地方所属馬10頭、中央所属馬6頭のうち、結局出走したのは地方所属の8頭と中央所属の4頭、合計12頭でした。当時のダート界において強さを誇っていたエスポワールシチーとフリオーソが出走を回避し、トランセンドとスマートファルコンの二頭に注目が集まりました。

スマートファルコンは、地方競馬の重賞を中心に走り続け、前回のJBCクラシックから6連勝でこのレースに臨みました。一方、トランセンドは前年のみやこステークスを勝ち、ジャパンカップダート、フェブラリーステークスでの勝利も収め、さらにドバイワールドカップでも2着という好成績を残していました。この二頭の対決は、ファンにとって見逃せない瞬間となりました。

レース展開

レースが始まると、トランセンドはスマートファルコンの後ろに位置取り、その間にシビルウォーが続く形で進行しました。序盤はそのままスムーズにレースが続き、第3コーナーに差し掛かると、トランセンドがスマートファルコンに迫ります。しかし、直線に入るとスマートファルコンが足を伸ばし、差を広げる展開となりました。その時点で4馬身もの差が付いたものの、残り100mを過ぎたところでスマートファルコンの脚が鈍り、トランセンドが追い上げを図ります。

最終的には、スマートファルコンが1馬身差で逃げ切って勝利を収め、トランセンドが2着、シビルウォーが3着に入線。スマートファルコンは前年に続けてJBCクラシックを制覇し、重賞通算17勝で歴代1位のオグリキャップに並ぶこととなりました。また、武豊騎手にとってはJBCクラシックでの浮き沈みを体現した勝利でもあり、これで6回目の勝利を挙げる形となりました。

その後の動向

このレース以降、両馬は再度の対決が期待されましたが、スマートファルコンは疲労を理由にジャパンカップダートへの出走を回避。彼は東京大賞典を辛勝し、川崎記念で圧勝した後、ドバイワールドカップにも挑みました。しかし、スタート直後に躓き、10着に終わる結果となりました。その後は屈腱炎の影響で引退し、種牡馬として新たな道を歩むことになります。

一方、トランセンドはジャパンカップダートを制しましたが、翌年のフェブラリーステークスでは不本意な結果に終わり、ドバイワールドカップでも期待外れの13着。2012年12月には引退し、アロースタッドで種牡馬として活動を開始しました。

このように、第11回JBCクラシックは競馬界に多くのドラマを生んだレースとなり、その後の二頭のキャリアにも大きな影響を与えることとなりました。

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