第116装甲師団 (ドイツ国防軍)

第116装甲師団（116. Panzer-Division）

第116装甲師団は、第二次世界大戦時のドイツ国防軍陸軍に所属する装甲師団であり、通称を『グレイハウンド師団』と呼ばれています。1944年3月に設立され、ラインラントおよびヴェストファーレン地域で、第16装甲擲弾兵師団と第179予備装甲擲弾兵師団の生き残り部隊をもとに構成されました。特に第179予備装甲擲弾兵師団は、スターリングラード近郊の激しい戦闘で壊滅的な損失を受け、その後はフランスで占領任務を行っていました。

戦闘の経歴

第116装甲師団は、1944年のノルマンディーにおける戦闘に参戦し、「コブラ作戦」の後、ファレーズポケットで包囲される事態に直面しました。ここでは第2SS装甲師団と共に突破を試み、600名の兵士と12両の戦車が無傷で脱出に成功しました。

10月にはアーヘンの戦いに参加し、アメリカ軍との戦闘が続きましたが、10月21日にはアメリカ軍に町が占領され、師団は撤退を余儀なくされました。その後、補給のためにデュッセルドルフに移動し、11月8日にはヒュルトゲンの森の戦いに加わり、アメリカの第28歩兵師団の攻撃を撃退。シュミットの町を奪還することに成功しました。

その後、師団は「ラインの守り作戦」、通称バルジの戦いに投入されました。12月10日時点で、師団には26両のIV号戦車、43両のパンター戦車、25両のIV号駆逐戦車（そのうち13両が動ける状態）が装備されていました。装備面では良好でしたが、輸送体制は不足していました。

この作戦が失敗した後は、他のドイツ軍部隊の撤退を支援しつつ、1945年3月にルール地方へ後退。その後、米第9軍と対峙し、連合軍のヴァーシティー作戦を阻止するために配置されました。当時の師団の兵力は、わずか2,800名の兵士と10両の車両しか残っていない状況でした。

1945年4月16日には、ルール・ポケットにおいて師団の大部分が米第9軍に降伏しました。残った一部は4月30日までハルツ山地で戦闘を続けましたが、全ての物資を使い果たした後、降伏しました。

歴代司令官

第116装甲師団の歴代司令官は次の通りです。

• - ギュンター・フォン・マントイフェル大佐（発足時 – 1944年4月30日）
• - ゲルハルト・グラーフ・フォン・シュヴェリン装甲兵大将（1944年5月1日 – 1944年8月7日および1944年8月24日 – 1944年9月14日）
• - ハインリヒ・ヴォイクツベルガー少将（1944年9月15日 – 1944年9月19日）
• - ジークフリート・フォン・ヴァルテンブルク少将（1944年9月19日 – 1945年5月）

戦闘序列

主な戦闘序列は以下の通りです：

• - 第16装甲連隊（Panzer-Regiment 16）
• - 第60装甲擲弾兵連隊（Panzergrenadier-Regiment 60）
• - 第156装甲擲弾兵連隊（Panzergrenadier-Regiment 156）
• - 第116装甲偵察大隊（Panzer-Aufklärungs-Abteilung 116）
• - 第146装甲砲兵連隊（Panzer-Artillerie-Regiment 146）
• - 第281陸軍高射砲大隊（Heeres-Flak-Artillerie-Abteilung 281）
• - 第228戦車猟兵大隊（Panzerjäger-Abteilung 228）
• - 第675装甲工兵大隊（Panzer-Pionier-Bataillon 675）
• - 第228装甲通信大隊（Panzer-Nachrichten-Abteilung 228）
• - 第146野戦補充大隊（Feldersatz-Bataillon 146）
• - 第66装甲補給部隊（Panzer-Nachschubtruppen 66）

このように、第116装甲師団は、第二次世界大戦を通じて数々の重要な戦闘に関与し、激しい戦闘と苦境に立ち向かいました。

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